2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791651
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 和代 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (70419456)
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Keywords | ポジショニング / 体位変換 / 30度側臥位 |
Research Abstract |
本研究は体位の中でも特に30度側臥位を焦点にして、座位や立位を基本とした人間の生活に適応していくための側臥位のポジショニングを検討することが目的である。そこで今年度は先行研究における30度側臥位のポジショニング方法に関する研究の動向を把握し、本研究の実験計画を立案した。 30度側臥位は1985年以後、臨床現場において褥瘡予防に適した体位であるという検証がなされてきている。本研究の手始めとして、30度側臥位をキーワードに国内・国外データベースにて学術論文の検索を行ったところ、対象となる国内文献が8件、海外文献が4件であった。その結果、研究の動向として以下の2点を挙げることができた。第一に、持続的血液濾過透析患者や心臓血管手術後のカテーテル挿入中の患者などを対象とした、治療上限られた体位をとる必要がある場合における、体圧及び循環動態の変化に関する研究が多い。第二に、ほとんどが健常者を対象とした体圧の検証で、安楽や苦痛の有無を検証する実験室内での研究である。臨床での無作為コントロール試験をおこなった研究では、看護師の体位変換による30度側臥位では、その体位を保つことが難しい患者が半数以上存在していたことが指摘されていた。 本研究では、特殊な治療の場合に限らず、常に他者による体位変換を行わなければならない臥床状態の患者を想定し、身体アライメントや適正な関節角度の観点から最適な全身のポジショニング方法を検討する。従って今後は次のような実験を予定している。30度側臥位を30分以上持続する場合の体位持続中の筋の緊張及び弛緩の状況を観察するため関連する筋肉を筋電図で測定し、同時に経過時間毎の体圧も測定する。体圧測定はズレを観察するための分布図として活用する。また、対象者は健常者とするが、今後は臨床研究へとつなげるため、入院患者におけるポジショニング方法の実情を同時に調査する。
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Research Products
(1 results)