2008 Fiscal Year Annual Research Report
新卒臨床看護師の視点による学生臨地実習時に看護技術を体験する意義
Project/Area Number |
19791652
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
師岡 友紀 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (40379269)
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Keywords | 新卒看護師 / 看護技術 / 臨地実習 / 看護基礎教育 |
Research Abstract |
臨地実習時に看護学生が「患者の身体に侵襲を伴う看護技術」を経験することにどのような意義があるか新卒看護師を対象とする調査を通して検討した。本年度は計画にもとづき、第4回(最終回)の調査を実施し、1年間にわたる縦断調査を終了した。その後、結果の分析と成果発表を行った。発表の概要と得られた知見は以下の通りである。 平成19年8月 : 日本看護学教育学会(つくば市) : 学生時に身体侵襲を伴う技術を3項目以上経験している看護師を「経験多」群、それ以外を「経験少」群とし2群に分け、就職3ヵ月後に差異が認められるかMann-Whitney検定にて分析した。結果、「経験少」群は「経験多」群と比較して有意に「想像以上に身体的負担を感じている」と評価していた。それ以外の項目には有意差は認められなかった。このことから、学生時に身体侵襲を伴う看護技術の意義として、卒後の身体的負担の感じ方との関連性が示唆された。 平成19年12月 : 日本看護科学学会(福岡市) : 病棟配属後3ヵ月後・6ヶ月後・1年後に看護技術および臨地実習に関する認識に差異が認められるかFriedman検定にて分析した。経験期間の長さにより変化するとの仮説のもと実施したが、看護技術の「ギャップを感じる程度」、「自立度」、「看護技術ができないことの影響」に関しては有意な関連が認められたが、その他の項目に関しては有意な差が認められなかった。このことから、臨床経験期間の長さと看護技術の能力の自己評価との間には関連があり、臨床経験により変化すると言えるが、「臨地実習時の看護技術経験の意義」は臨床経験により必ずしも変化しないと言える。 今後は、引き続き分析を進め、結果を雑誌に投稿する予定である。
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Research Products
(2 results)