2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791724
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
永田 暢子 Saitama Medical University, 保健医療学部, 助教 (10438856)
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Keywords | がん看護 / 希望 / 急性白血病 / がん患者 / 質的研究 / グラウンデッド・セオリー・アプローチ法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、急性白血病患者の抱く希望の内容、希望に作用する要因および希望を支える看護師の関わり方を明らかにすることである。 研究対象者は血液内科病棟に入院中で(1)初発の急性白血病に対して寛解導入療法、地固め・強化治療を受けている(2)病名、治療法などの説明を主治医からされている(3)意識が清明でコミュニケーションが可能である、以上の条件を全て満たし、20歳以上で本研究の目的を説明し、同意が得られた患者とした。また、研究の実施に際し、主治医・病棟師長の許可の得られた患者とした。調査方法は半構成的質問紙を用いた面接調査である。面接は、寛解導入療法から退院までの治療終了後毎に1回30分程度、プライバシーの保持できる環境で実施した。面接内容は逐語録とし、グラウンデッド・セオリー・アプローチ法を用いて分析した。対象者へは文書と口頭にて、本研究の主旨を説明し同意書にて承諾を得た。 昨年度に引き続き面接調査を行った。対象者は6名であり、女性4名、男性2名、年齢は21歳から66歳であった。病名は急性前骨髄性白血病3名、急性骨髄性白血病3名であった。面接回数は1人2回から4回であった。 急性白血病患者の抱く希望は、<周囲の人々の存在><感謝の気持ち><自己の存在の記録><退院後の目標>などであった。希望に作用する要因は、〔安楽に過ごせる環境〕〔副作用症状の程度〕〔治療経験の獲得〕〔必要な情報の提供〕などであった。希望を支える看護師の関わり方は、[理解した対応][安楽な環境の提供][情報提供]などであった。急性白血病患者にとって家族や友人の存在は、辛い治療を乗り越えるための力となっていた。また、同じ体験をしている患者の存在により、辛いのは自分だけではないと感じることで辛い時期を乗り越えることができていた。看護師は、他者の存在を伝えることでも急性白血病患者を支える関わりになると考える。
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