2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経系細胞の分化形質及び可塑性を規定する分子群の解析
Project/Area Number |
19800025
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
神山 淳 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (30437511)
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Keywords | 神経幹細胞 / 骨形成因子 / REST / NRSF / アストロサイト |
Research Abstract |
哺乳類中枢神経系に存在する神経幹細胞は発生過程を通じてニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトなどの細胞へと分化する。本研究では神経幹細胞からアストロサイトへの分化系をモデルとして、神経系細胞が「排他的に自身の分化形質を維持する」メカニズムの解明を試みた。本年度はアストロサイト分化誘導性サイトカインの一つである骨形成因子(BMP)刺激に依存して、ニューロン分化及びニューロン発現遺伝子群の転写制御を行なうことが知られるRE-1 Silencing Transcription Factor/Neuron Restrictive Silencer Factor(REST/NRSF)の発現誘導が生じることを見出した。このメカニズムとしてREST/NRSF遺伝子転写制御領域にBMPシグナルの下流転写因子Smadの応答配列が存在することを見出した。また、神経幹細胞にREST/NRSFを発現させるとニューロン分化を抑制し、さらにREST/NRSFの機能を阻害するとBMP依存的なアストロサイト分化誘導を阻害することを見出した。さらに、成熟アストロサイトにおいてREST/NRSFの機能を阻害することにより、アストロサイトにおいて異所的にニューロンに発現する遺伝子の発現上昇が観察された。これらのことより、神経幹細胞からアストロサイト分化過程において発現するREST/NRSFがアストロサイトにおいてニューロンに発現する遺伝子群の転写を抑制し、アストロサイトの分化形質を維持していることが示唆された。
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