2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域産業の構造を維持し続ける復興まちづくり手法についての研究
Project/Area Number |
19810034
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Research Institution | The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution |
Principal Investigator |
紅谷 昇平 The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution, 人と防災未来センター研究部, 主任研究員 (10455553)
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Keywords | 産業復興 / 復興指標 / 阪神・淡路大震災 / 復興格差 / 復興まちづくり |
Research Abstract |
平成19年度においては、まず阪神・淡路大震災後の長期にわたる統計データとして、被災地10市10町における人口、住宅(新設住宅着工戸数、住宅戸数)、製造業(製造品出荷額、事業所数、従業者数)、商業(小売業販売額、事業所数、従業所数)、観光客数のデータと、神戸市と周辺市のオフィス空室率のデータを収集し、長期的な復興トレンド分析を行った。「復興」の意味については、災害前の値を100として標準化し、災害前の値、及び被災地域外の推移と比較し、「災害前の状態に回復したか」「被災により生じた被災地外とのギャップが縮小したか」という点から評価を行った。分析の結果、被災地全体では、住宅は4年、人口は6年、観光客は3年で復興した(被災前水準に回復した)と評価できた。一方、産業分野ついては、直近まで被災地以外との格差は拡大したままであり、特に製造業においては地震で発生した格差は拡大を続けている。 次に被災した各市区の復興状況を表す復興指標の作成を行った。こちらは、人口・住宅・製造業・商業の4分野を対象とし、長期的な推移を表す折れ線グラフと、ある時間断面で切った各市区の復興状況を比較するためのレーダーチャートを作成した。このレーダーチャートでは、「災害前の値」に加えて、被災地内での復興格差を把握するため「被災地内の平均値」との比較も行い、「災害前」「被災地平均」との関係性を整理した。その結果、神戸市西部(長田区、須磨区、兵庫区)の復興が遅れ、被災が少なかった神戸市北部(北区、西区)が成長しているという結果を示した。 また産業復興に向けた望ましい施策について検証するため、阪神・淡路大震災、能登半島地震、新潟県中越沖地震等の産業復興施策の取組について、資料収集及びインタビュー調査を行い、能登半島地震をきっかけに生まれた中小企業支援ファンドの施策制度の特徴について整理を行った。
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Research Products
(1 results)