2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域産業の構造を維持し続ける復興まちづくり手法についての研究
Project/Area Number |
19810034
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Research Institution | The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution |
Principal Investigator |
紅谷 昇平 The Great Hanshin-Awaji Earthquake Memorial Disaster Reduction and Human Renovation Institution, 人と防災未来センター研究部, 主任研究員 (10455553)
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Keywords | 産業復興 / 復興指標 / 阪神・淡路大震災 / 復興格差 / 復興まちづくり / TIF |
Research Abstract |
災害復興事例から産業復興施策とその効果を検証するため、阪神・淡路大震災の被災地を対象に災害前トレンドによる「災害がなかった場合の推計値」による分析を行った。また産業復興の事例として、平成20年5月の四川地震における日系企業の災害対応について現地調査を行い、素早い復興には、従業員や地方政府とのリスク・コミュニケーションや現地法人への権限委譲、日本からの技術者派遣等の支援が重要であること等を明らかにした。さらに産業復興に対する企業の意識・対策を把握するため、東証一部上場企業を対象としたアンケート調査を実施し、被害を低減し、速やかに復興を進めるためのBCP(事業継続計画)の策定が取引先などサプライチェーンを含める形で進められていること、そのためにはノウハウや資金面での行政支援施策へのニーズが高いこと等を明らかにした。 都市計画事業と産業復興施策との相互連関性と、産業・暮らしを維持するためのまちづくり手法を明らかにするため、阪神淡路大震災後の産業復興支援策やノースリッジ地震におけるTIF等の再開発手法についての文献資料調査、及び四川地震後の生業復興・まちづくりに取り組む地元団体や被災者へのインタビュー調査を行った。災害直後には仮設店舗による営業がどの事例でも行われたが、設置主体等の制度の違いは大きく、長期的な産業復興の過程はさらに地域や災害による相違が大きい。四川の農村集落では有機栽培や工芸等のコミュニティビジネスによる地域・産業の再建を試みる動きがみられた。一方、大都市である阪神・淡路大震災とノースリッジ地震の被災地では、日米の再開発手法を比較し、借地による再開発とTIFの組み合わせることで、低容積率のハード整備とソフトによる活性化を実現するまちづくり制度が可能であることを事業収支シミュレーションで示した。
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Research Products
(2 results)