2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連・ロシアにおける制度設計-マクロ政治制度の選択と継続に関する一考察-
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19830073
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
津田 憂子 Waseda University, 政治経済学術院, 助手 (20453970)
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Keywords | 比較政治 / 政治過程論 / ヨーロッパ |
Research Abstract |
平成20年度の研究実施計画では、(1)憲法の草案起草者や政府及び議会関係者らに対するインタビュー調査をロシアで実施し、(2)(1)と前年度(平成19年度)の研究成果をふまえ、経験的事実と理論的考察という2つの視座から、本研究の仮説を論証することを目的としていた。 目的(1)に関しては、ロシア憲法の制定に関わった憲法委員会の中心人物であったオレグ・ルミャンツェフを始め、現在ロシアの立憲体制設立の貢献者、及び、政治学者にインタビューを行い、現在の政治体制の特徴であるロシア大統領制の抱える問題点等に関して知見を得た。目的(2)の下準備として、平成20年度の後半は、(a)ゴルバチョフの側近らの私的メモを整理し、ペレストロイカ期のソ連・ロシアにおける大統領制導入をめぐる議論を検討すると同時に、(b)現代ロシアにおける大統領制と政策立案過程の特徴について論じ、1980年代後半から現代に至るまでのロシア大統領が抱える問題について総括的な考察を行った。(a)については、私的アーカイブが保管されている社会経済政治学研究国際財団ゴルバチョフ・フォンドを訪問し、ペレストロイカ期ソ連における大統領制導入に関して、ゴルバチョフ周辺の側(当時の大統領補佐官であったゲオルギー・シャフナザーロフやアナトーリ・チェルニャーエフら)からの議論を閲覧・分析することに努めた。(b)については、3論文-「ロシアのメドベージェフ政権の政策動向」「ロシアにおける中小企業活性化に向けた法制改革」「ロシアの緊急経済政策の現状」-を執筆した。 現在は、本研究の仮説-マクロ政治制度の選択には主意主義的アプローチによる説明が優位であるのに対し、制度の継続には主意主義的アプローチと構造的アプローチを合わせた統合的アプローチによる分析が不可欠である-を論証するため執筆を進めている。
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Research Products
(3 results)