2007 Fiscal Year Annual Research Report
主観的ウェルビーイングによる心理生物学的ストレス反応低減効果の実証的研究
Project/Area Number |
19830115
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
田中 芳幸 Tokyo University of Social Welfare、Junior College, こども学科, 講師 (50455010)
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Keywords | 主観的ウェルビーイング / 主観的ストレス反応 / ストレッサー / メンタルヘルスの二次元モデル / いきいき度尺度(PLS-R) |
Research Abstract |
対象者:群馬県内の大学生341名(男性92名[19.75±1.51歳]、女性249名[19.59±1.34歳])から有効回答を得た。 調査内容:1.改訂-いきいき度尺度(PLS-R)(田中ら,2006)(「満足感」4項目、「ネガティブ気分」3項目、「チャレンジ精神」4項目、「気分転換」3項目の4回尺度からなり、計14項目)により、主観的ウェルビーイング(SWB)を測定した。2.ストレス刺激やストレス反応、ソーシャルサポート感などのストレス関連要因を測定するためには、大学生用ストレス自己評価尺度(尾関他,2004)を用いた。 本研究結果の意義と重要性:本研究により、PLS-Rを大学生にも適用できることが実証された(GFI=0.94、AGFI=0.91、RMSEA=0.06、説明率=50.66%)。ヘルスプロモーションや長期の経過を把握する横断的研究および縦断的研究における測定用具として大いに活用が期待できる。 また、SWBが高い者は、ストレッサーが高くてもストレス反応は低値という結果を得た。特に、情動的ストレス反応においては、ストレッサーが低くてSWBが要注意の群よりも、ストレッサーが高くともSWBが良好の群の方が、反応が低値であった。ストレス刺激が多くても、SWBが高ければストレス反応には繋がらないという仮説を支持する結果である。ストレスが蔓延化している現代杜会において、各人に対するストレス刺激を完全に除去することは不可能である。本研究により、ストレスの低減を生体に対する脅威の削減などネガティブ側面を減少させることによって目指すのではなく、ポジティブ側面を増加させることによって目指すという新たな視点の妥当性を提示できたことは、大いに意義深い。次年度は予定通り、これらの知見を踏まえて実験的研究を遂行するとともに、各関連学会などにて結果報告を行う。
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Research Products
(19 results)