2008 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストを伴う極超新星の磁気流体モデルの構築と金属超欠乏星の組成
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19840010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 秀之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60447357)
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Keywords | ガンマ線バースト / 超新星 / 極超新星 / 磁気流体 / 爆発シミュレーション / 超新星の爆発機構 / 金属欠乏星の組成 / 第一世代星 |
Research Abstract |
まず本研究の最大の目的の一つである多次元磁気流体シミュレーションコードの開発に成功した。メッシュの細分化と並列計算に対応するコードを新たに構築したことは他のコードを用いた計算と独立な結果を得られるため超新星やガンマ線バーストの爆発機構解明のために重要である。このコードを用いてガンマ線バースト、極超新星爆発のシミュレーションや、それらによる元素合成計算を行った。多次元磁気流体計算は計算時間が非常にかかるため、今後大型並列計算機を用いて更に具体的な応用計算を行う準備に成功したことは意義があった。その他、非常に明るい超新星爆発に伴う元素合成に関する研究を行った。近年非常に明るい超新星の発見が増えてあり、これらの超新星では大量の56Niが生成されたと考えられているが、その起源はまだ明らかになっていない。そこで、非常に重い超新星親星の進化と爆発の計算を行い、重力崩壊型超新星で最大どの程度の量の56Niが生成され得るのか明らかにした。また、今まで詳しく調べられていなかった重力崩壊型超新星最深部での弱r過程元素の合成を調べ金属欠乏星の観測と比較し、観測と合うような爆発の物理条件を明らかにした。その他、超新星を伴わないガンマ線バーストとの関係が指摘されている"暗い超新星"に関する元素合成計算も行った。特に、暗い超新星の中心部からジェット状に物質が放出され、それがより外の物質と混ざるような効果を考えると、太陽系の始原組成の中の同位体比異常の説明ができることを初めて示すことに成功した。
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