2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19850022
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
内藤 康彰 Gakushuin University, 理学部, 助教 (40453500)
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Keywords | 振動分光 / バイオイメージング / 生物物理 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
平成19年度は、論文1報発表、学会発表2回発表、図書1冊を共著で執筆し、研究成果を公表した。研究成果としては、当初の目的をほぼ達成した。本研究において、ある培養条件下で出芽酵母生細胞の液胞中にダンシングボディと呼ばれるブラウン運動す顆粒が出現、消失する事がわかった。そして、ガラスボトムディッシュで観測しダンシングボディ出現した後に新鮮な培地を加えうとダンシングボディが消失し元の酵母細胞に復元する事がわかった。当初の計画通り、ダンシングボディとミトコンドリアの代謝活性の相関を調べるために、ダンシングボディ出現後の細胞に新鮮な培地を加え時空間分解ラマン測定を行った。そこから生体内のミトコンドリア代謝活性変化を観測することに成功し、これを2007年9月18日に仙台で行われた分子構造総合討論会2007で口頭発表した。本結果は、出芽酵母生細胞のダンシングボディとミトコンドリア代謝活性を結びつけた初めての結果であり、生化学の分野において非常に意味のある結果である。また、ラマン顕微分光法という物理化学の分野の手法が、生化学において意味のある現象を明らかにした数少ない例あり、物理化学の分野においても非常に意義のある結果となった。また、2007年9月25日に本研究結果の一部を中国の厦門で行われた第35回Colloquim Spectroscopicum Internationaleにおいてもボスター発表した。物理化学と生化学の橋渡しとしての分野横断的研究を国際的に広める良い機会となった。また、本手法を物理化学者だけでなく、生化学者にも用いてもらうため、2007年に羊土社から発行された「生命科学のための機器分析実験ハンドブック実験医学別冊」の74-79頁の第2章5節「ラマン顕微分光法 〜生細胞を分子レベルで観る〜」を共著で執筆した。総説「日本化学会生体機能関連化学部会ニュースレター」を共著で発表した。
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