2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19850022
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
内藤 康彰 Gakushuin University, 理学部, 助教 (40453500)
|
Keywords | 振動分光 / バイオイメージング / 生物物理 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
平成20年度は、論文1報発表、学会発表3回発表し、研究成果を公表した。研究成果としては、当初の目的をほぼ達成した。本研究において、ある培養条件下で出芽酵母生細胞の液胞中にダンシングボディと呼ばれるブラウン運動する顆粒が出現、消失する事がわかった。そして、ガラスボトムディッシュで観測しダンシングボディ出現した後に新鮮な培地を加えるとダンシングボディが消失し元の酵母細胞に復元する事がわかった。当初の計画通り、ダンシングボディとミトコンドリアの代謝活性の相関を調べるために、ダンシングボディ出現後の細胞に新鮮な培地を加え時空間分解ラマン測定を行った。そこから生体内のミトコンドリア代謝活性変化を観測することに成功した。この結果を国際的に発表するために、これを2008年8月19日にイギリスのロンドンで行われたInternational conference on Raman spectroscopyでポスター発表した。本結果は、出芽酵母生細胞のダンシングボディとミトコンドリア代謝活性を結びつけた結果であり、生化学の分野において非常に意味のある結果である。また、過酸化水素水溶液を細胞に投与し、酸化ストレスにより細胞内でどのように構造変化が起きるのかを時空間分解ラマン追跡により行った。その結果、酸化ストレスにより、細胞内ミトコンドリア脂質膜のcis-trans異性化反応が誘起される事が明らかになった。金属イオンを加えた際にも同様の変化が起きる事が明らかになった。以上の結果は、物理化学と生化学の両方の視点からの学際的研究により達成されたものである。これらの結果は、2008年9月26日に福岡で行われた分子科学討論会2008と、2008年11月26日にニュージーランドのクイーンズタウンで行われた第二回バイオイメージング学会で発表された。
|