2008 Fiscal Year Annual Research Report
縦配置薄膜ビームスプリッターによる軟X線適用可能な新型コモンパス干渉計の開発
Project/Area Number |
19860006
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
原田 哲男 University of Hyogo, 高度産業科学技術研究所, 助教 (30451636)
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Keywords | 応用光学 / 干渉計測 / 超薄膜 / X線 / 超精密計測 |
Research Abstract |
縦配置薄膜ビームスプリッターを用いた新型コモンパス干渉計(RS干渉計)の可視光学系と干渉縞シミュレーションにおいて軟X線への適応要件を明らかにし,検査鏡位相の解析法を開発した.具体的には以下に示す. 1.前年度開発したRS干渉計での縞シミュレーションソフトにおいて空間コヒーレンスの検証を行った.結果,波長13.5nmにおいても100μm程度と大きな光源でも実用的な干渉縞を生成可能であり,軟X線実験室光源へ適用できることを明らかにした.また,検査鏡形状で一番重要な低次収差項の非点収差は,縞解析に必要なXキャリアと直交するYキャリアとして解析可能と分かった. 2.可視光RS干渉計においては光源に面発光LEDを新たに採用し,低コヒーレンス条件においても干渉縞生成が容易であることを確認できた.前年度問題となったビームスプリッター上への集光系の収差に関しては,より収差の少ない非球面レンズを用い,干渉縞生成領域をビームスプリッターの透過率で制限される全域に拡張できた.また,光源サイズを100μmから200μmと変えた場合でも干渉縞コントラストの変化はなく,空間コヒーレンスの影響は見られなかった. 3.生成した干渉縞をCCDで記録し,フーリエ変換法による縞解析によって位相情報を得た.RS干渉計の測定に使用した検査鏡をZYGO干渉計で形状計測したところ面精度はλ/2で非点収差が主であった.この非点収差測定のためRS干渉計において検査鏡を45°ずつ回転させながら干渉縞を記録した,検査鏡回転角によるYキャリア変化はZYGOで測定した非点収差の方向と一致しており,解析可能であることを実験的にも示せた.
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