2008 Fiscal Year Annual Research Report
2次元プラズモン共鳴を利用した超高感度テラヘルツ検出デバイスの研究
Project/Area Number |
19860010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Keywords | 電子デバイス / 電子機器 |
Research Abstract |
現在、トランジスタ内に生じるプラズラモン共鳴を利用したテラヘルツ(THz)帯動作デバイスの研究開発が活発化している。プラズモンは電子群の疎密振動であり、プラズモンの共鳴周波数は電子密度、ドリフト速度、そして、ゲート長によって定まる。プラズモン共鳴周波数が注入THz波に同期していると仮定すると、プラズモンが強く励起され、ドレインバイアスにその効果が重畳されるということがDyakonovらによって理論的に提案されている。アンテナ機構を導入することにより、励起されたプラズモンが電磁波に変換されるため、TxZ帯電磁波(THz波)の放射器が実現可能である。本研究室では、小型集積化プロセス技術が利用可能な半導体材料を用い、高利得な電磁波放射が期待されるプラズモン共鳴型エミッター(PRE)を提案している。本研究では、PREをTHz帯電磁波の検出器として利用し、実験的にTHz波の検出を行うことを目的としている。PREのTHz波検出動作を調査するため、高電子移動度トランジスタ(HEMT)に対する注入THz波によるプラズモン励起を計測可能な光応答特性(ACドレイン・ソースバイアス)実験を行った。THz帯光源としてCO_2レーザを使用した。得られた光応答特性の結果から、プラズモンの計測に成功し、ゲートバイアス変調による周波数可制御性を確認した。PREを用いた注入THz波検出時においても注入Txz波によるプラズモン励起、計測という過程を辿るため、PREを用いたTHz波が検出可能であると推察される。プラズモン励起を計測するという観点から電気光学サンプリング(EOS)という時系列でTHz波を計測可能なシステムを用い、PREからTHz波が放射されていることを計測し、THz波と関連のあるプラズモン励起を確認した。また、周波数領域でのTHz波を計測可能なフーリエ変換赤外分光(FTIR)システムを用いて、PREでプラズモンが励起されていることを確認した。得られた結果は国際会議で発表され、著名な論文誌に出版されている[雑誌論文、学会発表参照]。
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Research Products
(8 results)