2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19860030
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
上田 祐樹 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (00447509)
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Keywords | 熱音響現象 / 冷凍機 / スターリングサイクル |
Research Abstract |
本研究の目的は進行波音波を用いて冷却効果を得る冷凍機の開発である.この冷凍機は温室効果ガスを全く必要とせず,さらに少ない可動部品で構成される.そのため,低環境負荷で,低コスト化および長寿命化が可能であるという特徴を有している.また,逆スターリングサイクルに似た熱力学的サイクルでエネルギー変換を行うので高効率が期待できる.このように本研究で開発する冷凍機は優れた特徴を有するため,次世代冷凍技術として注目を集めている. 本年度は加圧窒素を作動流体とする冷凍機を設計・製作し性能を評価した.装置は中空の直管,ループ管,ステンレスメッシュシートを積層して製作した蓄熱器,リニアモータで構成される.蓄熱器はループ管内に設置されており,その両端には熱交換器が設置されている.一方の熱交換器の温度を室温に保つと他方の温度が低下する.前年度の研究により蓄熱器の設置位置と流路径が性能に大きな影響を与えることが明らかになったので,これら2つのパラメータを前年度に開発した計算コードを用いて最適化した.また,管内の気柱共鳴の周波数とリニアモータの固有振動数のマッチングを計算および実験によって行った.作動流体である窒素の圧力を7気圧程度にした時,製作した装置の最低到達温度は-52℃で,成績係数は,低温端の温度が-11℃の時,熱力学的上限値の11%であった.本年度の研究では最大7気圧程度に加圧した窒素を用いたが,この圧力をさらに上げることで,熱力学的上限値の30%程度まで効率を上げることが可能であると試算された.
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