2007 Fiscal Year Annual Research Report
流域の高度分布と降水量分布および地質構造に着目した土砂流出量の推定
Project/Area Number |
19860037
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大橋 慶介 Gifu University, 工学部, 助教 (20452170)
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Keywords | 水工水理学 / 流域土砂流出 / 地理情報システム(GIS) |
Research Abstract |
全国の地質データ,および,全国ダム堆砂量をGISデータベース化と土砂流出ポテンシャルと堆砂星との対応関係について調べると同時に,地質構造と流域高度分布(面積高度曲線の曲線形状)との関連性について検討を行った. 1.データベースの構築 <流域土砂流出ポテンシャルを見積もるためのデータベースの整備>これまでの研究で整備されてきた全国単位流域,水系網,高度分布,平均降水量に加えて,地質分布を追加した.地質分布データは産業技術総合研究所の20万分の1数値地質図,および,シームレス地質図を基にしている. <解析環境の整備>計算処理能力の高いPCと,従来用いてきたVBと比較して計算速度の速いC#.NET使ったGIS拡張パッケージ(GeognoSIS.NET)を導入して,GISの空間解析処理が迅速に行える環境を整えた.20年度のWeb公開に向けたデータ整備を進めている. <貯水池堆砂データ収集>全国約900の電力ダム堆砂資料を入手し,比土砂流出量の参考資料として整理を行った. 2.地質構造と流域高度分布の関係の把握 沙流川流域における特徴的な地質(付加帯堆積物,カムイコタン変成岩類)での高度分布を比較したところ,同じ地質では面積高度曲線は相似形を示すことがわかった.当該流域では年降雨量はほぼ同一であり,面積高度曲線の形状は侵食作用の大きさと地表の侵食抵抗性のバランスによって決まると考えられことから,比較した領域の地質が有する侵食抵抗性は同一であると推測できる.同様に,他の水系についても地質の侵食抵抗の度合いを面積高度曲線から求め,実測の土砂流出量との比較を行って,全国の土砂流出ポテンシャルの推定に繋げていく.
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