2008 Fiscal Year Annual Research Report
非ユークリッド空間上の大域的制御とその応用について
Project/Area Number |
19860053
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
都築 卓有規 Shimane University, 総合理工学部, 助教 (90452549)
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Keywords | 制御理論 / 非線形 / 安定化 / 多様体 / 大域的制御 |
Research Abstract |
多様体上の非線形制御系の大域制御問題を扱っている.多様体上の制御系には一般には大域的な座標が存在しない.そのため,従来のユークリッド空間上での最適制御問題の手法が数学的に厳密に適用できるかは自明ではない,本研究では,多様体上の制御系の最適制御問題について考察し,以以下を明らかにした. 1.動的計画法とHamilton-Jacobi-Bellman方程式(以下HJB方程式)の解について最適制御問題の主要な方法の一つである動的計画法は,ユークリッド空間上の制御系においてはHJB方程式に帰結されることが知られている.また,その解は粘性解と呼ばれる通常の解を拡張した解の定義が必要になることが知られている.本研究では,非ユークリッド空間である多様体上の制御系について,同様の観点から最適制御問題を考察し,動的計画法からHJB方程式を導出し,それについて粘性解を定義できることを明らかにした. 2.最適制御問題の値関数の半凹性について 最適制御問題の目的は最適制御則を求めることである.その導出に有用な値関数について考察した.ユークリッド空間上の制御系の場合と同様に,多様体上の制御系についても,値関数の存在性を保証する十分条件を明らかにし,また値関数が半凹関数と呼ばれるある連続関数になるための十分条件を明らかにした.
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