2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルコール燃料の噴霧混合気形成および自己着火現象に関する基礎研究
Project/Area Number |
19860079
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
内田 浩二 Sojo University, 工学部, 助手 (00454950)
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Keywords | 再生可能エネルギー / アルコール / 自己着火 / 燃焼 / 可視化 / バイオマス / 熱工学 |
Research Abstract |
深刻化する石油資源枯渇および地球温暖化等のエネルギー・環境問題の根本的解決には再生循環型社会構築が必要であるとの考えから、本研究では植物バイオマスベースのアルコールをエネルギー源とした熱サイクル論的にも高効率な圧縮自着火噴霧燃焼エンジンシステムの確立を目指している。本研究は上記システム実現のキー技術である着火燃焼制御法の確立に向け、アルコールの噴霧混合気形成・自己着火・燃焼という一連の物理化学メカニズムの解明を目的としている。 これまで本研究で行ってきた理論検討および実機関を用いた着火・燃焼特性試験結果から自己着火現象を支配する要因には燃料の熱物性・特性に関る内部要因(特に理論空燃比と蒸発潜熱)と噴霧を形成する際の周囲ガス状態(圧力、温度、酸素濃度)に関る外部要因があることはわかっていた。そこでH19年度は先ず自己着火に及ぼす内部要因の影響を調べるため、エタノールにジエチルエーテル(エタノールに比べ理論空燃比が大きく蒸発潜熱が小さい)を混合した燃料を用いて噴霧可視化実験を行った。その結果、「アルコール噴霧の自己着火現象を支配する内部要因が理論空燃比と蒸発潜熱である」ことを基礎現象の観点からも実証した。H20年度は自己着火に及ぼす外部要因の影響を調べるため、定容燃焼炉内のガス圧力および温度をパラメータとした基礎実験を行った。その結果、「アルコール噴霧の自着火現象は内部要因と外部要因に依存するが,周囲ガス圧力および温度が高くなるほど外部要因が支配的となる」ことが明らかとなった。現在はH20年度に得られた実験結果を基に、噴霧混合気形成過程に及ぼす周囲ガス圧力および温度の影響について更に解析を進めている。また、以上の成果はSAE2009 International Power-trains, Fuels and Lubricants Meetingにて発表を予定しており、現在日本機械学会論文集への掲載に向け執筆中である。
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