• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2008 Fiscal Year Annual Research Report

XAFSによる化学形態情報を用いたバイオミネラルへの微量元素濃集過程の解明

Research Project

Project/Area Number 19880010
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

津野 宏  Yokohama National University, 教育人間科学部, 准教授 (60432069)

Keywordsバイオミネラル / 炭酸カルシウム / 微量元素 / X線吸収微細構造 / 固-液平衡 / 生体濃縮
Research Abstract

本研究は、バイオミネラリゼーションの結晶生成過程に着目し、X線吸収微細構造(XAFS)による微量元素の化学形態情報の解析を行うことで、生体内での微量元素の挙動・濃縮・隔離過程を理解することを目指している。本年度は、アラゴナイトの無機的な合成研究に加え、海産二枚貝の人工環境下での飼育方法の検討と天然環境下および人工環境下で成長した殻体中の微量重金属の存在度について解析を行った。飼育実験は条件検討の結果、当初予定していたアサリからホンビノスガイに変更したが、人工海水・人工飼料・室内環境下で8ヶ月を越える長期飼育が可能となった。殻体を成長方向に切り出し、採集以前の水域で成長した部位と人工環境で飼育した部位に分け、微量金属(Al, Ti, V, Cr, Mn, Co, Ni, Cu, Zn, Se, Cd, Sb, Pb)の分析を行い、個体間の変動を比較したところ、異なる水域で成長した部位では個体間の差異が大きく、同じ人工海水で成長した部分では個体間の元素存在比が1に近づくことから、殻体中の金属の存在度は成育環境を反映させていることが示された。しかし、同じ人工海水下で成長した部位であっても、個体により選択的に特定の元素が濃集されることが示された。その傾向は異なる水域で成長した部位のパターンにも反映されていることから、同じ種であっても元素濃集について個体差が生じることを示しており、殻体の重金属存在度から成育した環境の重金属存在度を見積もる上では、個体差を考慮する必要があることが示された。本研究期間では、放射光を用いたXAFSによる微量元素の存在状態の解析はできなかったが、平成21年度からの共同利用実験課題として採択されたことで、殻体中の重金属の局所構造解析の実施が可能となり、本研究テーマが目指すバイオミネラルへの微量金属の濃集課程を議論することができるようになると期待される。

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi