2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19890069
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
望月 智之 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 寄附講座教員 (20436637)
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Keywords | 肩関節 / 腱板断裂 / 棘上筋 / 棘下筋 / 停止部 |
Research Abstract |
肩関節の解剖に解剖実習体30体60肩を用いて、研究実施計画に基づき研究を行なった。棘上筋と棘下筋の停止部が従来報告されているものとは異なることは2006年の国際学会(AAOS)にて発表を行なったが、それによりEvidenceを付加する研究として、停止部の組織切片を作成し研究発表を行なった。組織学的にも棘下筋が大結節の広範囲に停止していることが証明でき、我々の前出の研究が正しいことを証明する結果となった。 腱板断裂で散見するdelamination(層間剥離)に関しては、その部位や治療法についてまだ多く議論があるところである。我々は、delaminationが臨床的に棘下筋に起こっていると判断し、棘下筋の層構造の研究を行なった。棘下筋の層構造についての詳細な結果から、delaminationの発生機序の仮説を立てるに至っている。今後、腱板断裂を伴う解剖標本を詳細に調査することにより、発生機所が明らかになると思われる。 上腕二頭筋長頭腱の安定化機構についても、肉眼解剖に加えて組織学的調査を行なうことにより、従来上腕二頭筋長頭腱を安定化させる靭帯の代表としてとらえられてきたSGHL(上関節上腕靭帯)が靭帯構造をなしていないことが明らかになってきた。また2006年に研究発表をおこなった「舌部」とSGHLの関係、またSGHLと烏口上腕靭帯の関係もより詳細にわかってきている。 2008年度も引き続きこれらの研究を、対象や研究手法を変えることにより、より発展させていく予定である。
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Research Products
(11 results)