2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨再生に向けた脂肪組織由来幹細胞の効率的な骨芽細胞分化誘導法の開発
Project/Area Number |
19890127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久田 邦博 Osaka University, 歯学部附属病院, 医員 (50452454)
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Keywords | 骨再生 / インプラント |
Research Abstract |
本研究においては、脂肪組織由来幹細胞を効率的に骨芽細胞に分化誘導をするシグナルとして、ビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸(RA)を用いての研究を計画している。そこで脂肪組織由来幹細胞での検討に先がけて、RAの分化誘導メカニズム解明を目的に、マウス未分化間葉系細胞株C3H10T1/2細胞を用いて、RAの分子作用メカニズムの検討を行った。 C3H10T1/2細胞はBMP2存在下でALP陽性の骨芽細胞様細胞およびオイルレッドO陽性の脂肪細胞に分化誘導されることが報告されている。BMP2存在下で、C3H10T1/2細胞にRAを添加すると、骨芽細胞分化はさらに促進された。一方、BMP2によって誘導される脂肪細胞分化はRA添加により強く抑制された。さらにBMPシグナルとRAシグナルの協調作用の分子メカニズムを明らかにする目的で、BMP2シグナルの伝達分子である、Smad1およびSmad4による骨芽細胞分化誘導に対するRAの作用を検討した。Smad1およびSmad4の過剰発現により、有意にALP活性が上昇し、骨芽細胞様細胞への分化がみられた。この効果はRA添加により著明に増強された。したがって、RAはSmad1およびSmad4と協調して骨芽細胞分化を促進することが明らかとなった。さらなるRAシグナルとBMPシグナルの協調作用メカニズムを解明を行うことにより、脂肪組織由来幹細胞の効率的な分化誘導法を検討出来ると考えている。
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