2007 Fiscal Year Annual Research Report
小・中・高校を通じた天文分野における空間概念の形成に関する学習プログラムの開発
Project/Area Number |
19906061
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Research Institution | 北海道旭川北高等学校 |
Principal Investigator |
柳本 高秀 北海道旭川北高等学校, 教員
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Keywords | 2種類のかげ(影、陰) / モデル化 / 空間概念 |
Research Abstract |
本研究の目的は、小学生・中学生・高校生の基礎的な天体運動に関する理解度を調査し、また、この調査を受け、空間概念の形成に関係する単元として、小学校では「月の満ち欠け」、中学校では「金星の満ち欠け」、高校では「惑星の視運動」に関する系統的な学習プログラムを開発することである。 研究方法では、小学生に基本的な天文現象や「月の満ち欠け」、中学生に「相対運動」、ならびに高校生には「月食」に関する質問紙調査、面接調査を行い、児童・生徒があらかじめ持つ理解の特質を明らかにした。また、空間概念を形成する具体的内容として、アメリカやイギリスの理科カリキュラムに見られる「観察活動」、「光とかげ」、「相対運動などのモデル化」を導入した授業(小学生には「月の満ち欠け」、中学生には「金星の満ち欠け」、高校生には「惑星の視運動」に関する内容)を開発、試行した。授業後、その評価を行い、児童・生徒の空間概念の変容について調査した。 小・中・高校生の基礎的な天体運動に関する調査からは、多くの児童・生徒に太陽-月-地球の三者の相対運動の概念が欠如し、天体運動に関する空間的な認識に問題があることが明らかとなった。また、空間概念を形成する具体的内容である「観察活動」、「光とかげ」、「相対運動などのモデル化」を導入した授業として、小学校では月の満ち欠け現象に関して「2種類のかげ(影、陰)」に着目した授業実践を行った。2種類のかげの内容を中心に、観察活動やモデル化などを密接に関連させた授業展開を行った結果、1割程度だった月の満ち欠けに関する理解度が、授業後には、約60%へと大幅に増加した。加えて、中・高校生への「金星の満ち欠け」ならびに「惑星の視運動」に関する授業実践からも、かげの違いやモデル化を密接に関連づけることで、多くの生徒に、相対運動を1つの視点だけでなく、多視点で見る視点移動能力の発達傾向が見られた。
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