2007 Fiscal Year Annual Research Report
水-植物油エマルジョン燃料の精製とその物性及び燃焼特性評価
Project/Area Number |
19917030
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
松口 義人 Fukushima National College of Technology, 技術部, 技術職員
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Keywords | エマルジョン燃料 / ディーゼル機関 / 植物油燃焼 |
Research Abstract |
【研究目的】化石燃料の代替え品として水-植物油エマルジョン燃料をディーゼル機関で使用するために,以下の項目を調査・実験・評価し,最適なエマルジョン燃料を精製する.(1)植物油の基礎特性調査,(2)エマルジョン燃料の基本的性質の調査,(3)エマルジョン燃料の燃焼評価. 【実験方法】渦流室ディーゼル機関を用いて,軽油,大豆油100%,エマルジョン燃料について,各燃料の温度による粘度変化の測定並びに燃焼実験を行った.粘度変化は音叉型の粘度計を用いて,10℃から70℃までの変化を測定した.また,燃焼実験は全負荷で行い,回転数1000〜3000rpmまでの範囲でデータを採取した. 【実験結果】各燃料ともに温度が上昇するに従い粘度が低くなる傾向が見られた.特に,植物油,エマルジョン燃料は温度による粘度変化が大きく,大豆油は10℃から70℃の範囲で90〜13.7mPa・s,エマルジョン燃料で81.4〜11.9mPa・sとなり,軽油よりも温度による依存性が高い結果となった.また,若干ではあるが植物油に水を加えることで粘度が低減されたことが伺える.また、燃焼実験では,各燃料ともに回転数が増加するに従って,トルクが減少し出力が増加する傾向となった.中でも,エマルジョン燃料はトルクの減少が少なく,トルク,出力は最も高い値となった.また,低出力時ではエマルジョン燃料の燃料消費率が最も多くなったが,出力が高くなるに従い各燃料ともほぼ同等の値となった.熱効率では,軽油に比べてエマルジョン燃料の方が高い値となった。 水を加えることでミクロ爆発を起こし,油滴が微粒子化され燃焼していると考えられる事から,窒素酸化物や粒子状浮遊物質を削減する効果があるものと推測できる.今後,エマルジョン燃料の実用化を実現させるためには,適正な水と植物油の混合割合の見極めとともに低い燃料温度での特性を調査していくことが必要であると考える.
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