2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19F19015
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
川村 信三 上智大学, 文学部, 教授 (00317497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DA SILVA EHALT ROMULO 上智大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2019-04-25 – 2021-03-31
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Keywords | イエズス会 / 日本 / ゴア / 倫理神学 / 奴隷問題 / カトリック教会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、16.17世紀、アジア圏で活動したイエズス会宣教師の倫理問題を中心に、それぞれの宣教師が現地で遭遇した「良心問題」を中心に資料収集と分析を実施している。代表者はその大枠となるイエズス会宣教の大枠を引き続き考察し、分担者は実際の資料収集と分析にあたった。 2019年度は、調査2件、論文4本、発表5件、講演1、学会参加2である。調査としては、上智大学キリシタン文庫における「イエズス会古文書」(ARSI Jap.Sin)の整理にあたり、また7,8月にパリのバンブ・イエズス会史料館、リスボンのアジュダ宮殿図書室、イエズス会・ブロテリア資料室、ポルトガル国立図書館、ポルトガル国立文書館、ライデン大学図書館において史料調査を実施した。提出した論文は、パリのEcole des Hautes Etudes en Sciences Sociales へ「日本におけるイエズス会の土地所有問題」の論文を投稿(査読中)、キリシタン文化研究会会報に、「ゴアのイエズス会神学者から見た日本人奴隷化問題」についての論文を寄稿し、掲載された。 さらに、ポルトガル・コインブラ大学の学術雑誌、Revista de Historia da Cultua e da Sociedade に「ポルトガル領インドの神学者Francisco Rodriguesの写本について」の論文を投稿し、査読の後、掲載された。発表として、とくに重要なものは、上智大学史学会(6月)、埼玉大学(6月)、ライデン大学(7月)、フランクフルト・マックスプランク研究所(8月)において、発表論文と同様のテーマで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
応募書類に記載した、資料調査の面で、今年は、ヨーロッパへの渡航が可能となり、各文書館、図書館において、研究テーマの重要資料につき、閲覧、収集を勢力的に行うことができた。したがって、その成果として、発表や論文提出などの材料も、予想以上に豊富に入手することができた。 イエズス会が布教地において直面した「倫理問題」(良心問題)について、とくにイエズス会のアジア宣教の拠点となっていたインドのゴアにおける神学者たちの見解をまとめることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019 年度の実績を踏まえ、さらに資料の収集、分析にあたるつもりである。 ただし、現時点で、コロナ禍による渡航制限、入国制限などが存在するため、現地文書館の調査については、予定していた課題をかなり縮小せざるを得ない現状がある。そのため、研究の中心的な方向は、19年度までに収集した第一次史料の分析に集中せざるを得ない。ただし、外国文書館との連絡は継続し、より効果的な史資料入手方法をさぐる。
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Research Products
(13 results)