2008 Fiscal Year Annual Research Report
物質新機能開発戦略としての精密固体化学:機能複合相関新物質の探索と新機能の探求
Project/Area Number |
19GS0207
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島川 祐一 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (20372550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 輝男 京都大学, 化学研究所, 教授 (90296749)
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 准教授 (40273510)
倉田 博基 京都大学, 化学研究所, 准教授 (50186491)
木村 滋 京都大学, (財)高輝度光科学研究センター・利用研究促進部門, 主幹研究員 (50360821)
小口 多美夫 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90253054)
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Keywords | 固体化学 / 物質合成 / 微細加工 / 構造解析 / 電子状態計算 |
Research Abstract |
本研究では新物質開発・新物性探索を中心に実験を進めているが、高圧合成法を用いて新しいAサイト秩序型ペロブスカイド酸化物LaCu3Fe4012を見出し、さらにこの物質が全く新しい「温度誘起サイト間電荷移動」を示すことを発見した(Nature誌掲載)。メスバウアー効果や内殻電子励起スペクトル測定からの吸収端微細構造解析による実験的研究と第一原理による計算研究の両面から新物質の電子構造についても明らかになりつつある。また、薄膜作製では、「無限層構造酸化物」SrFeO2単結晶に続きLaNiO2の作成にも成功した。これは高温超伝導で注目されるd9電子配置をもつ酸化物である。さらに、2年前にありふれた半導体であるシリコンが巨大磁気抵抗効果を発現することを発見していたが、キャリア密度を幅広く制御した実験を行い、この巨大磁気抵抗が空間電荷効果によって生じることを明らかにした。これは従来の材料とは全く異なる磁気抵抗のメカニズムである(Nature誌掲載)。 評価技術に関しては、SPring-8放射光を利用した高分解能X線回折法による局所構造評価と微細加工素子評価を推進した。新規ゾーンプレートの設計・導入により、150nm(水平方向)×250nm(垂直方向)のビームサイズを形成することに成功した。これにより、微細加工素子での評価が実際に可能であることを実証した。
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Research Products
(34 results)