2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19GS0210
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
清水 裕彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50249900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪野 隆 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 講師 (10301722)
武藤 豪 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (90249904)
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Keywords | 実験核物理 / 素粒子実験 / 物性実験 / 中性子科学 / 中性子光学 |
Research Abstract |
本研究で建設を行なったJ-PARCスパレーション中性子源BLO5の偏極ビームブランチでは、中性子寿命測定実験に用いる非機械式高速チョッパーとして、スピンフリッパー及び磁気スーパーミラーを組み合わせたスピンフリップチョッパーを開発した。また崩壊中性子数及び入射中性子数を計数するためのTime Projection Chamberを製作した。バックグラウンド抑制のための追加遮蔽体の製作・設置し、物理測定を開始する段階に至った。 また同ビームラインの非偏極ブランチにおいては、J-PARC冷中性子ビームに含まれる極冷中性子成分を高反射臨界角多層膜ミラーで減速して、パルス超冷中性子を発生させた。並行して勾配磁場中で中性子スピンを反転させることによって中性子を加減速する方法を考案し、超冷中性子の飛行時間に加減速量を同期させて、密度の低減を抑制した超冷中性子輸送光学系の研究に着手した。この研究には、勾配磁場を発生させる電磁石、スピンを反転させるためのRF印加装置、超冷中性子導管の開発を伴う。これまでに勾配磁場電磁石とRF印加装置の性能を確認し、超冷中性子導管の内壁面の反射率及び鏡面度の確認を進めている。この反射率測定には同ビームラインの低発散ビームブランチを用い、冷中性子の多重反射によって極めて高い反射率の測定を行なっている。 多層膜中性子干渉による極冷中性子干渉によって、物質界面において、短距離重力を含む未知中距離力の探索実験の可能性を解析し、実際に現存する技術で測定が可能か検討を始めた。 物質研究への応用では、極冷中性子の磁気集光光学系を用いて、試料集光型小角散乱装置の利用研究を進めている。 低発散ビームブランチで進めていた多層膜ミラーを用いた中性子スピンエコーの試験研究は、J-PARCスパレーション中性子源に新たなビームライン建設に移行することになった。
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Research Products
(18 results)