2019 Fiscal Year Annual Research Report
突発的中退者に対する職員の効果的アプローチに関する研究-消極的中退者に着目して-
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19H00039
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Principal Investigator |
一ノ瀬 大一 九州産業大学, 学生部学生課, 学生係長
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 突発的中退 / 多岐に亘る施策 / 中退者調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、突発的中退者の要因及び経緯を明らかにした上で、職員が講じるべきアプローチを提言することを目的とする。中退者の分類については、初年次前学期から低単位になり中退に至る「初期型」、初年次後学期以降に低単位となり中退に至る「失速型」、順調に単位修得しているにもかかわらず突発的な理由で中退に至る「突発型」の3種類に定義している。なお、大学の中退には、進学や起業などを目指した「積極的中退」と大学がつまらない、周りと合わなかったなど現実からの逃避傾向が強い「消極的中退」の二通りある。 この研究目的を達成するために、本学の中退者84名へのアンケート及び消極的中退者24名へのインタビュー調査、他大学調査、自由記述のテキストマイニング分析を踏まえて、傾向と効果的なアプローチを考察した。 研究成果として、中退者アンケート結果を考察すると、積極的中退者5名に対し、消極的中退者79名で非常に多く、初期型及び失速型の中退理由では修学意欲の低下、成績不振が60%以上回答であるのに対し、突発的中退者の回答は、経済的事情、家庭の事情、進路変更、就職が同率の約18%であるなど、多岐に亘る。さらに、どのような支援があれば中退しなかったかの質問に対し、突発型は奨学金などの経済的支援、高校時代に大学について考えるプログラムの順で多く、初期型及び失速型と比較しても回答内容が多岐に亘る。また、テキストマイニング分析結果から、「とりあえず大学に入学した」頻度が高く、ミスマッチの可能性が高い。これに加えて、消極的中退者インタビュー及び他大学調査を踏まえ、突発的中退者へのアプローチとしては、柔軟な給付・貸与奨学金による経済的支援、高校時代に大学のことをもっと知ることができるプログラム、学生生活などについて気軽に相談できる制度及びレポート指導等の学修支援などの多岐に亘る施策を継続的に行うことが効果的であると示唆された。
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Research Products
(2 results)