2019 Fiscal Year Annual Research Report
火山災害に関する防災リテラシー向上をねらいとした授業プログラムの開発と実践的研究
Project/Area Number |
19H00105
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Principal Investigator |
佐竹 靖 奈良教育大学, 附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 防災リテラシー / 火山災害 / ハザードマップ |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 本研究は、火山災害に関する生徒の防災リテラシー向上をねらいとした授業プログラムや教材の開発を目的として行った。 ○研究方法 本研究では、まず「3Dプリンタで作成した地形モデル」と「無人航空機を用いた視点移動型映像教材」などの教材を開発し、それらを併用して火山の学習や、断層と地形、身近な地域の災害についての授業で試行的に活用し、その効果と課題を検証した。次に、これらの検証結果をもとに、伊豆大島を題材とした火山防災授業プログラムの開発を行った。各授業の検証については、ワークシートの記述や事後アンケートの回答をもとに行った。研究成果は各種学会・研究会などで発表し、教材に関しては学校現場で活用できるように、県の研究会などにおいて活用方法の紹介やサンプルの配布を行った。 ○研究成果 先行して行った「地形モデル」や「視点移動型教材」を併用した授業の結果、実際の景観や地形と、平面である地形図やハザードマップを結びつけるために有効であることが明らかとなった。そこで、詳細な地形の把握や火山活動のメカニズムの理解、ハザードマップと地形を結びつけることをねらいとして、新たに「三原山山頂付近の視点移動型映像教材」や「ホワイトボードペンで描き込み可能な地形モデル」、「水あめを用いた溶岩流モデル実験」、「ハザードマップを貼り付けた地形モデル」を開発し、それらを組み合わせた火山防災授業プログラムを構築した。本授業プログラムでは、地形モデルから溶岩の流路や流下範囲を推定する活動や、モデル実験で溶岩流の挙動を観察することを通して、ハザードマップで想定されている内容の根拠について生徒自ら見出すことができるようにした。火山災害のしくみやハザードマップの根拠について理解させることは、生徒の防災リテラシー向上に寄与するものと考えている。授業実践については今後行い、その効果と課題を検証する。
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Research Products
(3 results)