2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H00395
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Principal Investigator |
橋本 卓也 兵庫医科大学, 医学部, 社会人大学生
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Project Period (FY) |
2019
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Keywords | 強迫症 / 嗅覚 / 感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 強迫症は一般人口中の有病率が1~2%とされている。強迫症には複数のタイプが存在し正確な診断に困難を要する。強迫症に対する五感の関連性を示す研究がいくつか存在しており、強迫症を示す患者の中には、感覚現象(sensory phenomena)や感覚過敏性(sensory over responsivity : SOR)がしばしば報告されている。感覚の脆弱性と早期の非定型の感覚的経験は、最終的なOCD発症の危険因子となる可能性があり、OCDに特徴的なサブタイプの発生マーカーとなる可能性がある。また、感覚的な強迫症のサブタイプも存在し、感覚の一つである嗅覚の神経伝達回路と強迫症の神経生物学的なモデルとの間には、部分的に重なっている部分があり、強迫症に対し嗅覚が特性の一つである可能性が示唆される。 研究方法 : この研究には現在までに24人の被験者が参加している。嗅覚閾値と同定力を検査し(Sniffing Sticks Test)、自己記入式の評価尺度で抑うつ状態や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの併存症の傾向と重症度評価を施行する。OCDに関して⑦Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale(Y-BOCS)を用い、症状分類を行い、重症度を評価する。 研究成果 : OCD患者と健常対照者との間では、感覚回避に有意差があった。この結果は、現在の研究の少数の被験者が原因である可能性がある以前の研究と一致していない。OCD患者が感覚回避において有意に高いスコアを示した我々の研究の結果は、以前の発見と一致しており、さらにその傾向とOCDにおける回避行動との可能な関連性を示唆している。 さらに、嗅覚機能の感度とOCD群のみで検出された感覚探索との間に有意に負の相関があったことを示している。したがって、感覚探索の傾向の上昇は、認知/行動抑制制御の欠陥と関連している可能性がわかった。
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Research Products
(1 results)