2021 Fiscal Year Annual Research Report
History of Comparative Religions Concerning Human Rights and Discriminations
Project/Area Number |
19H00525
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
磯前 順一 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60232378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 慈司 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (20581101)
苅田 真司 國學院大學, 法学部, 教授 (30251458)
吉田 一彦 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 名誉教授 (40230726)
鍾 以江 公立小松大学, 国際文化交流学部, 教授 (40735586)
Pradhan Gouranga 国際日本文化研究センター, 研究部, プロジェクト研究員 (40847224) [Withdrawn]
久保田 浩 明治学院大学, 国際学部, 教授 (60434205)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
寺戸 淳子 国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 准教授 (80311249)
岩谷 彩子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90469205)
小田 龍哉 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (90821744)
藤本 憲正 国際日本文化研究センター, 研究部, プロジェクト研究員 (90847203)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 宗教 / 差別 / 聖なるもの / 公共性 / 聖俗論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28~30年度科研基盤(C)「差別から見た日本宗教史再考──社寺と王権に見られる聖と賤の論理」(代表者磯前順一)の成果を踏まえながら、さらに近代国民主権および民主主義の基盤をなす「人権」思想と差別の関係を、日本にとどまらず、欧米やアジア諸国の宗教伝統との関係から比較宗教史的方法を使って考察した。具体的には、西洋啓蒙思想に基づく人権思想が、その宗教伝統とどのように関係しているのかを、他の地域や時代の宗教伝統と比較・分析することで、激しいさまざまな差別観(人種、宗教、性、社会集団)と人権思想が切り離すことができない関係にあることを明らかにした。以上のことを明らかにする際に、各社会固有の宗教伝統に基づいて比較史的な分析を行い、また、欧米・日本の人権思想の長所と短所を整理しつつ、人権思想と差別観の双方にはさまれる形で成立する各地域の公共性のあり方の特質を検討した。更に、この理論的視座を踏まえながら、日本の地域社会の一つである大阪府浪速区渡辺村での実地調査を複数回行い、人権思想・差別・宗教の関係性を歴史的な具体例に即しながら検証した。以上の成果として、法蔵館から全三巻から成る論文集『シリーズ宗教と差別』を公刊した。具体的には、『差別の構造と国民国家(第一巻)』では上述した比較宗教史的視点から各国の差別と宗教の在り方を検討し、公共圏の成立が排除としての差別との不即不離な関係にあることを明らかにした。『差別と宗教の日本史(第二巻)』では日本宗教史の観点から日本における差別と宗教の関係性を明確化し、日本の歴史における被差別民のカテゴリーを分類し、それぞれの社会的役割を明確にした。『差別の地域史(第三巻)』では上記の理論的成果を踏まえながら、大阪府渡辺村における地域史の分析を通して、その地域固有のローカル・ヒストリーを「厚い記述」として再現した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
なお、前述の小倉論文が中国語、磯前・プラダン論文が英語でと成果の複数外国語での発信が行われた。
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Research Products
(12 results)