2020 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing of the Ocean History; over Territorial sovereignty, Maritime interests, and Ocean society
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19H00539
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 出 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (10314337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 俊 明治学院大学, 社会学部, 教授 (00419251)
浅野 亮 同志社大学, 法学部, 教授 (10212490)
神長 英輔 國學院大學, 文学部, 准教授 (40596152)
太田 淳 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50634375) [Withdrawn]
赤松 紀彦 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60175784)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 教授 (60278489)
土屋 由香 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90263631)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
奈良岡 聰智 京都大学, 公共政策連携研究部, 教授 (90378505)
下平 拓哉 事業構想大学院大学, 事業構想研究科, 教授 (90866823)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海洋 / 歴史 / 領海 / 海洋権益 / 資源 / 海洋社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、「領海主権」「海洋権益」「海洋社会」を軸として「海洋の歴史」の構築をめざしたものである。これまでこの分野はほとんど研究が進められておらず、かりに「海域アジア史」や「グローバルヒストリー」と銘打っていたとしても、海洋そのものに視点があてられることはなく、たんに交通路ないし交通路としてのみ扱われるにすぎなかった。また取り扱われる問題も、ほとんど交易史・経済史(部分的には文化・学問の伝播史などもあり)に限定されていた。 本研究課題では、こうした研究上の限界を克服し、新たな地平を獲得するためにも、海洋それ自体に目を向けながら「海洋の歴史」を描きなおすことに重点を置いている。国家が利益を求めて海洋を囲い込もうとする「領海主権」、海洋資源の独占的な獲得をめざす「海洋権益」、そうした「領海主権」や「海洋権益」をめぐって生成されてくる「海洋社会」に焦点をあてるのである。 史料的には、歴史文献はもちろん、海外調査を大いに実施し、複合的な視点から、広くアジア海域、さらには西・北太平洋までをも研究対象としていくこととした。海洋を断絶するものとして見るのではなく、むしろ連続性に目を向け、各海域をめぐる諸問題がどのように深く複雑に絡み合っていたのか、互いに影響を及ぼしあっていたのかを明確にするのである。 本研究課題では、特に19~20世紀の海洋に着目しながら、上記のような問題関心のもと、「海洋の歴史」に関する試論を提出したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
周知のとおり、2020年度は新型コロナ感染症流行の拡大の影響を強く受け、海外調査はもちろん、国内調査もほとんど諦めざるをえない状況に陥った。海外渡航は当然ながら不可能であり、公文書館や図書館もほとんど閉鎖され、調査ができない状況になった。 そこでメンバーと相談し、今後の海外調査に期待を残しつつ、まずさきに文献史料を徹底的に収集し、先行研究を読み込み、オンラインを用いた研究会・報告会を開催することに舵を切ることにした。毎月1回、メンバーの研究の進捗状況を発表したり、ゲストを招いて報告をお願いしたり、海洋研究をめぐる諸問題についてメンバーが知識を広げ深めるよう努力した。残念ながら、海外調査はほぼ皆無だったものの、そのぶんオンライン研究会に力を投入して議論を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は当然ながら、コロナ収束の状況に強い影響を受けることになるが、少しでも海外調査が可能となれば、ただちに調査を再開し、新史料の発掘に力を注いでいきたい。メンバーは新たな史料の発掘が進まないことに苛立ちを感じ始めており、一日も早い海外調査の実施が望まれる。 もし2021年度もコロナが収束せず、海外調査が不可能な場合には、まずは国内調査に重点を移し、東京や大阪で史料を収集すると同時に、これまでと同様、オンライン研究会を開催し、引き続き史料の読解や、議論を深めていくことが最善の方法ということになろう。
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Research Products
(19 results)