2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Emergence, Curent Status and Future of Indigenous Cultures in Alaska and Northwest Coast Regions of North America
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19H00565
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (60214772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 陽仁 三重大学, 人文学部, 教授 (20397508)
手塚 薫 北海学園大学, 人文学部, 教授 (40222145)
近藤 祉秋 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (80779273)
生田 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (90783829)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 先住民文化 / 生成 / アラスカ / 北アメリカ北西海岸 / 比較研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)2019年6月に研究計画全体を検討する研究会(大阪)、2020年2月に同年度の調査成果および次年度計画に関する研究会(札幌)を実施した。 (2)研究代表者と各研究分担者はアラスカ地域と北米北西海岸地域の先住民社会に関する歴史・環境・言語に関する基本情報の収集を行うとともに、国内外で文献調査を実施した。 (3)研究代表者と研究分担者は現地で予備調査を実施した。岸上は2019年8月に約2週間、カナダのハイダ・グアィやバンクーバーなどで先住民社会の生業とアート制作、社会変化に関する調査を実施した。立川は2019年9月から10月にかけて約3週間、カナダ・バンクーバー島のキャンベルリバーなどで漁業への温暖化の影響や経済活動に関する調査を実施した。生田は2019年8月19日から9月24日まで米国アラスカ州の5つの町を訪れ、石油等の資源開発や環境・社会の持続可能性に関して米国連邦政府やアラスカ州政府、先住民政府、北極圏研究の専門家との意見交換や現地調査を行った。近藤は2019年夏に正教会とアラスカ先住民の関係性に関する状況を把握するため、アラスカのクスコクィム川下流域で予備調査を実施した。手塚は2020年2月にカナダ歴史博物館(ガティノウ市)で、北米先住民族資料の調査とともに、展示表象の特徴と自然環境の変化がもたらした諸影響に関わる研究動向について調査した。また手塚は、複雑狩猟採集民の自然災害体験を社会的な脈絡とともに地理情報システムで処理し可視化するための手法を開発し、日本国内の被災地(奥尻島)で検証した。 (4)研究代表者や研究分担者は、2019年6月に日本文化人類学会(仙台)、8月に国際人類学・民族学会(ポーランドのポズナン)、9月にカナダ学会年次研究大会(鹿児島)、10月に第34回北方民族文化シンポジウム(網走)などにおいて本研究の構想や成果に関する発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス問題の影響で2020年2月や3月には海外調査の実施が困難になったが、プロジェクト全体としては順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究プロジェクトの中心は、北アメリカのアラスカや北西海岸地域等での現地調査や海外の研究者や現地の人々との学術交流である。このためコロナウイルス問題が長期にわたり継続すれば、海外渡航や海外での現地調査などができなくなり研究計画自体の変更を余儀なくされる。随時、状況の変化を考慮し、海外での現地調査ができないような場合には、国内での文献調査やインターネットを利用した海外調査などに重点を移すなど柔軟に対応しながら、研究計画を進める予定である。
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Research Products
(19 results)