2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Emergence, Curent Status and Future of Indigenous Cultures in Alaska and Northwest Coast Regions of North America
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19H00565
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (60214772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 陽仁 三重大学, 人文学部, 教授 (20397508)
手塚 薫 北海学園大学, 人文学部, 教授 (40222145)
近藤 祉秋 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 助教 (80779273)
生田 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (90783829)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アラスカ / 北アメリカ北西海岸 / 先住民 / 文化変化 / 社会変化 / 生業 / 物質文化 / 災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナ感染症禍にある調査地域の人びととSNS等を利用して連絡を取りつつ、下記の調査研究を実施した。 岸上伸啓は、カナダ北西海岸先住民ハイダの社会変化に関して感染症(とくに天然痘)の流行との関係から調査を行うとともに、2020年6月に国立民族学博物館に建立されたトーテムポールの特徴や制作過程に関する記録を作成した。また、2020年10月から12月まで開催された国立民族学博物館特別展示「先住民の宝」においてカナダ北西海岸先住民のコーナーを担当し、研究成果を展示によって公開した。さらに、フォーラム型情報ミュージアム「北米北方先住民関連文化資源データベース」の情報を高度化し、新プレート版として2020年12月4日に更新した。加えて、科研関連のホームページを開設し、成果や情報の発信を開始した。 近藤祉秋は、Zoomやフェイスブックなどを利用して、これまで調査してきたアラスカ・ニコライ村におけるコロナ禍での生活や地域保健の状況に関する聞き取り調査を実施した。手塚薫は、北米の複雑系狩猟採集民の研究動向を文献や遺跡発掘調査報告書に基づき把握し、自然災害などに直面した小規模コミュニティの復興過程も視野に入れて研究を行った。また、現地調査が可能になった時に適用するため、GIS(地理情報システム)を用いて人々の持つ記憶を位置情報と結びつけて定量化・可視化する「記憶地図」の手法を開発し、国内のフィールドワークで試行した。 立川陽仁は、SNSを使ったオンライン調査を実施し、先住民がおこなう漁業およびその他の事業に関する現地データを収集すると同時に、先住民が新たに開始した事業の現状と今後の展望について論文として発表した。生田博子は、アラスカ先住民社会における石油等の地下資源開発とその開発の環境、先住民社会、先住民文化への諸影響、開発との共生に関する現地調査の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外でのコロナ感染症の流行により、アラスカおよびカナダ西海岸地域での現地調査を行うことができなかったので、研究の進捗状況にやや遅れが出た。しかし、ズームやSNS等を利用することにより現地社会と連絡を取りつつ調査を進めるとともに、関連文献やこれまでに収集した調査データを利用して研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ズームやSNS等を利用することにより現地社会と連絡を取りつつ調査を進めるとともに、関連文献やこれまでに収集した調査データを利用して研究を進める。また、可能な限り現地調査の実施を試みるとともに、最終年度にはズーム等を併用してワークショップやシンポジウムを現地の人々や国内外の研究者と開催し、研究成果の発信と取りまとめを行う。
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Research Products
(14 results)