2021 Fiscal Year Annual Research Report
International Political Nexus of Climate Change and Water Resources:
Project/Area Number |
19H00577
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 帰一 東京大学, 法学部, 名誉教授 (90173484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城山 英明 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 教授 (40216205)
ヘン イークァン 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 教授 (80780618)
ORSI ROBERTO 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 特任准教授 (70838127)
和田 毅 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20534382)
錦田 愛子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (70451979)
華井 和代 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 特任講師 (10768013)
HUSSAIN NAZIA 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 講師 (30837860)
中溝 和弥 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90596793)
竹中 千春 立教大学, 法学部, 特定課題研究員 (40126115)
清水 展 関西大学, 政策創造学部, 客員教授 (70126085)
杉山 昌広 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 准教授 (20503428)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 気候変動安全保障 / 気候変動レジリアンス / グローバル・ガバナンス論 / 持続可能な開発目標(SDGs) / 水資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021 年度は研究成果をまとめる段階に入っており、研究メンバーが執筆したワーキングペーパーをもとに、研究チーム内での議論と公開研究会を通じた多分野の専門家との意見交換を行った。 はじめに、世界規模での水紛争のデータを集めた複数のデータベースを比較分析することで、本研究で取り上げる地域の研究対象としての妥当性を確認した。そのうえで、気候変動をめぐる政治力学に注目したインドの事例研究からは洪水などの自然災害への対応が政治政党への支持拡大に利用されるプロセスが確認された。一方、気候変動をめぐる社会不安が顕著には観察されていないイギリスやシンガポールの事例研究では、政府機関に小規模なフューチャーズグループが配置され、先進技術を用いた未来予測が行われていることが明らかになった。都市や農村レベルでの気候変動の影響に注目したアフリカ・サヘル地域やフィリピンにおける事例研究からは、政府による資源管理や環境変化への対応策がおよばない中で、インフォーマルセクターの役割が増大していること、さらに、都市の貧困地域や社会不安を抱える地域では、インフォーマルセクターとして犯罪組織が水資源の供給に役割を果たしていることも明らかになった。さらに、ヨルダン川沿岸では水供給安定化政策がむしろイスラエルとパレスチナの水アクセスの格差を拡大しており、水資源政策が政治的軋轢を生むリスクもはらんでいる。 世界6 地域を対象とする比較研究によって、気候変動による環境変化に同じようにさらされながらも、土地や水をめぐる対立が紛争の発生あるいは悪化につながる地域と、社会への衝撃を緩和できている地域との格差がますます拡大していることが鮮明になった。 研究成果は公開シンポジウムで発表するとともに共著書籍にまとめ、2022年秋に出版する予定となっている
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)