2021 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing a Realtime Income and Consumption of Household data using Private Finance Management App
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19H00591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇南山 卓 京都大学, 経済研究所, 教授 (20348840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 悠太 一橋大学, 経済研究所, 講師 (10835747)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 家計簿アプリ / 家計行動 / 消費 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は、民間企業が提供しているアカウントアグリゲーションサービスによる自動家計簿作成サービス(以下、「家計簿アプリ」とよぶ)のデータを入手し、新たな家計収支に関わるデータの収集をすることである。そのために、家計簿アプリサービスを提供する民間会社と協力して、銀行口座の出入金やクレジットカードの利用情報を自動的に収集するシステムと、世帯属性等を調査する独自に開発したアンケートシステムを接合した調査システムを構築した。2020年度より、実際に調査システムを稼働させ、調査とデータの構築を進めている。 2021年度は、引き続き調査参加者を募集しつつ、調査を継続した。調査システムでは、毎月一回の定期調査を実施しており、世帯の構成員の変化や毎月の就労状況等を調査している。2021年度中に12回の調査を実施し、サンプルは高い継続率を維持している。 調査への協力者を獲得するために、研究計画時点では、全国各地での説明会やシンポジウムなどを計画していたが、コロナウイ ルス感染拡大が止まらなかったため開催が困難となった。一部、オンラインでのイベント等で調査の周知を進めたが、調査協力者は当初の予定より少ないレベルで推移している。 また、構築したデータを用いた分析について、研究計画時点ではノースウエスタン大学、ミシガン大学等を訪問する予定であったが、2021年度においてもコロナウイ ルス感染拡大の状況のため、引き続きオンラインでの研究打ち合わせを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システムの開発が完了し、調査が開始できている。また、毎月の定期的調査も実施できており、調査参加者の脱落は少なくデータの蓄積が進んでいる。ただし、コロナウイルスの感染拡大のため周知イベントの開催が進んでおらず、当初の予定よりは調査参加者の数が少なくなっている点では改善が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の調査対象者の規模を維持しつつ、調査の継続を着実に進める。コロナウイルス感染拡大の状況次第で、新たな調査対象者の獲得に向けて、一般向けの講演会や説明会などの開催を検討する。 収集されたデータについての解析も開始する。これまで、消費の内訳などを分類する方法について検討を進めてきたが、依然として分類不詳が多く改善が必要である。また、世帯属性などを既存データと比較することで、サンプルの偏りについても分析を進める。新たな事項についてアンケートを追加するなどで、分析可能な分野を増やすよう試みる。 これまでのデータの蓄積を米国などの研究と比較することも大きな課題である。海外との情報共有を担当する分担者との連携を進めるため、京都もしくは東京での共同作業の機会を増加させる。その上で、研究集会等を開催することで、海外研究協力者であるNorthwestern大学、Michigan大学、米国連邦準備銀行理事会などの研究者との交流を進める。
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Research Products
(3 results)