2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creation and implementation of scientific basis for children's human capital:Development of policy evaluation process by government-academic collaboration
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19H00602
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 隆一 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00397704)
川村 顕 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 教授 (10422198)
牛島 光一 筑波大学, システム情報系, 助教 (80707901)
別所 俊一郎 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (90436741)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子どもの人的資本 / 科学的根拠に基づく政策立案・評価 / 因果推論 / 行政管理情報による大規模パネルデータ / 官学協働による実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、学術面における成果としては、2019年度の研究(和文)を英文化し、国際発信を行った(Noguchi et al. “Relationship between School Attendance Support and Academic Performance: An Analysis of Panel Data from Adachi Ward”; Bessho et al. “Building an administrative database of children”)。また、現在のCOVID-19感染拡大の教育現場への影響を直接検証した研究ではないが、同データを用いて、公立小学校のクラスサイズの縮小とそれに伴う学級内の身体的距離の拡大が学級内のインフルエンザ蔓延に与えた効果検証(Oikawa et al. “Do Class Size Reductions Protect Students from Infectious Disease? Lessons for Covid-19 Policy from Flu Epidemic in Tokyo Metropolitan Area”)、公立小学校の教員の付加価値を推定し、児童生徒の学力との関連性についての検証(Tanaka et al. “Determinants of Teacher Value-Added in Public Primary Schools: Evidence from Administrative”)を行い、IZA Discussion Papersとして公表した。第2に、COVID-19の感染拡大により、足立区での作業がほぼ実施不可能であったため、実装面での支障が生じたものの、学術的成果について、足立区の担当者と定期的に情報共有を行い、区政に資するエビデンスについての議論を継続させている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、昨年度に引き続き、研究者と実務家との協働により足立区の公立小中学校の児童生徒を対象とした学力・体力・意識調査の全数個票データ(2009-2019年度の延べ数で約50万人)の構築を完了する予定であったが、COVID-19の感染拡大により、足立区での作業がほぼ実施不可能であった。当該データベースの中核をなすテストスコアと学齢簿に対するパネルデータ化は2019年度にほぼ終了したものの、子どもの育ちを評価する上で重要な、体力や問題行動等のデータについての整備が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、2022年度においては、2021年度の遅れを取り戻すために、まずは、自治体職員自身によるデータのアップデートと分析を可能とする体制の整備を行う。データ整備に当たっては、プロジェクト終了後の自治体職員によるデータの使い勝手を考慮し、Microsoft Access等の汎用性の高いソフトによってデータベース化するとともに、コードブックやガイドライン等を作成し、本プロジェクトメンバーが足立区教育委員会・学力定着推進課の職員に対する研修を行うことにより、職員自らがデータのアップデート、及び、行政上必要な分析を実施可能な体制を構築する。 第2に、2022年度においても、「因果推論」に裏打ちされた政策評価による新たな科学的根拠の創出を継続的に行う。今年度において分析を行った、児童・生徒個人の学力の伸びに対する学校や教師の寄与度を推定する付加価値モデルの構築、及び、予測不可能なインフルエンザの流行による学校閉鎖の学力や体力に対する影響の2つのテーマについては論文執筆を完了させ、学校選択制の導入による学力・体力・問題行動などに対する同級生効果の検証や子どもたちのネットワークから通級の効果やいじめなどの問題行動が発生する負のメカニズムの特定等の残されたテーマに挑む。 第3に、2022年度は最終年度であることから、当該プロジェクトでの成果について、国内外での学会発表や国内外の査読雑誌への投稿へ向けての準備を進める。
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Research Products
(6 results)