2022 Fiscal Year Annual Research Report
Search for cosmic dark matter by highly radiopure NaI(Tl) scintillator
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19H00688
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伏見 賢一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (90274191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宇宙暗黒物質 / ヨウ化ナトリウム / 低バックグラウンド測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙暗黒物質探索に用いる高純度NaI(Tl)検出器を複数個組み合わせて宇宙暗黒物質探索を実行した。実験に先立ち、検出器本体のNaI(Tl)結晶の純化が必須であると判断し、NaI(Tl)結晶に含まれる放射性不純物であるカリウム40と鉛210の除去を確認した。直径7.62 cm長さ7.62 cmの円柱形NaI(Tl)結晶を製造し、宇宙暗黒物質探索装置として組み立てて実験を遂行した。 実験は岐阜県飛騨市の東北大学ニュートリノ科学センター神岡地下実験室にて行った。2022年度までに作った2個のNaI(Tl)モジュールを、無酸素銅と鉛のシールド内に設置して低バックグラウンド測定を実施した。無酸素銅シールドは厚さ5 cm、鉛は10年以上地下に保管していた低バックグラウンドの材料を中心部に設置して厚さ20 cmとした。 初めにα線放出核種の定量を行い、2個のNaI(Tl)についていずれも目標としていた純度を達成できたことを確認した。これにより、本研究課題で開発した純化方法の再現性を確認でき、将来の実験計画で実行する純化方法を確立した。 低エネルギー領域のバックグラウンドは10 keV付近で1~2 /day/keV/kgという低バックグラウンドを達成した。これはDAMA/LIBRAグループの結果の約2倍となっており、複数の検出器によって事象の選別(反同時計数など)を実施していないにもかかわらず十分に低い値を確認した。将来の大型化にて反同時計数の手法を確実に実施すれば世界最高感度の測定が可能になることが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] PICOLON宇宙暗黒物質探索 ~高純度NaI(Tl)結晶のバックグラウンド解析の現状~2023
Author(s)
小寺健太, 伏見賢一, D.Chernyak, 江尻宏泰, 畑和実, 硲隆太, 飯田崇史, 池田晴雄, 今川恭四郎, 井上邦雄, 伊藤博士, 岸本忠史, 古賀真之, A.Kozlov, 中村健悟, 折戸玲子, 嶋達志, 竹本康浩, 梅原さおり, 浦野雄介, 山本祐平, 保田賢輔, 吉田斉
Organizer
研究会「放射線検出器とその応用」(第37回)
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[Presentation] PICOLON宇宙暗黒物質探索のためのNaI(Tl)結晶のバックグラウンド評価2023
Author(s)
小寺健太, 伏見賢一, D.Chernyak, 江尻宏泰, 畑和実, 硲隆太, 飯田崇史, 池田晴雄, 今川恭四郎, 井上邦雄, 伊藤博士, 岸本忠史, 古賀真之, A.Kozlov, 中村健悟, 折戸玲子, 嶋達志, 竹本康浩, 梅原さおり, 浦野雄介, 山本祐平, 保田賢輔, 吉田斉
Organizer
日本物理学会2022年春季大会
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[Presentation] Background analysis of NaI(Tl) crystals for the development of new PICOLON detector2022
Author(s)
K.Kotera, D.Chernyak, H.Ejiri, K.Fushimi, K.Hata, R.Hazama, T.Iida, H.Ikeda, K.Imagawa, K.Inoue, H.Ito, T.Kishimoto, M.Koga, A.Kozlov, K.Nakamura, R.Orito, T.Shima, Y.Takemoto, S.Umehara, Y.Urano, K.Yasuda, S.Yoshida
Organizer
Unraveling the History of the Universe and Matter Evolution with Underground Physics UGAP2022
Int'l Joint Research
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[Presentation] 単色中性子を用いた宇宙暗黒物質探索用NaI(Tl)の消光因子精密測定2022
Author(s)
浦野雄介, 伏見賢一 , 畑和実 , 川合洋平 , 小西哲之, 黒澤俊介, 向井啓祐, 荻野靖之, 折戸玲子, 坂部俊郞
Organizer
Scintillator for Medical, Astroparticle and environmental Radiation Technologies (SMART2022)
Invited
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[Presentation] PICOLON宇宙暗黒物質探索の現状2022
Author(s)
K.Kotera, D.Chernyak, H.Ejiri, K.Fushimi, K.Hata, R.Hazama, T.Iida, H.Ikeda, K.Imagawa, K.Inoue, H.Ito, T.Kishimoto, M.Koga, A.Kozlov, K.Nakamura, R.Orito, T.Shima, Y.Takemoto, S.Umehara, Y.Urano, K.Yasuda, S.Yoshida
Organizer
Scintillator for Medical, Astroparticle and environmental Radiation Technologies (SMART2022)
Invited