2021 Fiscal Year Annual Research Report
包括的な疾病負荷分析に基づく我が国の保健政策課題の実証的研究
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19H01074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 健司 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (50322459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Rahman Mizanur 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任講師 (10726433)
野村 周平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (10799282)
田淵 貴大 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター疫学統計部部長補佐 (20611809)
山本 依志子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 政策科学研究部, (非)研究員 (50402730)
坂元 晴香 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (50738549)
齋藤 英子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 上級研究員 (60738079)
米岡 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (60790508)
井上 真奈美 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 部長 (70250248)
永田 知映 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臨床研究教育部, 室長 (70385342)
西浦 博 京都大学, 医学研究科, 教授 (70432987)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疾病負荷 / COVID-19 / 障害 / 慢性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、我が国の疾病負荷を包括的に分析し、それを具体的政策分析にも応用する試みである。これまでの疾病負荷に関する研究成果をさらに発展させ、最新の疾病負荷推計が行われた。健康寿命は1990年の69.47歳から2019年の73.84歳まで着実に伸びており(+4.37年)、平均寿命も79.41歳から84.80歳まで伸びている(+5.40年)。この伸びの差は障害を持ちながらの生活期間が増えていることを指す。疾病負荷(DALY:死亡と障害の混合指標)に占める割合は、YLL(損失余命)で測定される早死ではなく、YLD(障害生存年数)で測定される障害がますます大きくなっており、1990年の45.48%から2019年には48.23%に上昇していた。
疾病負荷は、非感染性疾患(NCDs)が占める割合が2019年時点で85.43%となり、1990 年比較で4.34%増加していた。疾患別で見ると主に高齢者に影響を与える疾患、脳卒中、腰痛、アルツハイマー病などの認知症、虚血性心疾患、肺がん、加齢性難聴、糖尿病の疾病負荷が大きい。特に糖尿病やアルツハイマー病の疾病負荷の急増は特筆すべき点である。2019年における全ての年齢を含む日本における主要リスク要因は、喫煙、ついで高血圧、不健康な食事、高血糖、腎機能障害であった。どれも年間で10万人以上、喫煙や高血圧についてはおよそ20万人近くの死亡に寄与していた。
これらのNCDsやリスク要因は、COVID-19による重症化・死亡リスク関連していることは注目に値する。COVID-19のような健康危機に対してより強い保健システムを構築するために、公衆衛生の取り組みを強化することが急務であることが示唆される。長寿化と人口高齢化とともに、NCDsによる障害が健康損失の大部分を占めており、障害や慢性疾患を管理できる保健サービスへの需要がますます高くなるだろう。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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