2019 Fiscal Year Annual Research Report
Qualitative changes in skeletal muscle with sarcopenia: mechanisms and effective countermeasure
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19H01085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 直方 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (20151326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 浩一 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (00307993)
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
田村 優樹 日本体育大学, 体育学部, 助教 (20794978)
越智 英輔 法政大学, 生命科学部, 准教授 (90468778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 一次性サルコペニア / 二次性サルコペニア / 筋線維タイプ / 運動単位 / ミトコンドリア / 結合組織 / レジスタンス運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のサルコペニア研究では筋量の減少と、その対策としてのレジスタンス運動の同化作用が主として検討されてきた。しかしサルコペニアの特徴である速筋線維特異的萎縮と線維数減少、結合組織増生などの機能低下を伴う質的変化の機序はいまだ不明である。本研究は、一次性(加齢性)、二次性(慢性炎症)サルコペニア動物モデル、培養筋細胞系、およびヒトを対象とし、サルコペニアに伴う筋線維タイプ、ミトコンドリア、筋サテライト細胞、運動神経、結合組織における質的変化の作用機序を解明し、それに対するレジスタンス運動の効果を検討することを目的とする。 2019年度の研究成果は次のように要約される:1)老化マウスの筋(一次性サルコペニア)において運動誘発性同化作用への抵抗性が認められた;2)二次性サルコペニアの動物モデルとして、D-ガラクトース投与、Peptidoglycan-polysaccharide(PG-PS)投与、肝がん細胞AH130の移植の3種の処置を試み、それぞれにおいて効果的に筋萎縮が誘発されること、さらに筋の電気刺激や自発的運動の介入により筋萎縮が抑制されることなどが判明した;3)マウス大腸がん由来細胞Colon26とマウス骨格筋細胞C2C12の共培養によってがん悪液質による骨格筋萎縮系を開発した;4)筋におけるミトコンドリア機能および運動単位数を評価するための単離筋組織標本(ex-vivoモデル)を開発した;5)筋線維レベルでの収縮機能評価が可能な単一筋線維の張力測定系を開発した;6)ヒト骨格筋を対象とし、筋収縮特性、運動単位の動員パターン、疲労特性などを調べるために効果的な電気刺激法(至適周波数など)および磁気刺激法を開発した。これらの成果により、一次性および二次性サルコペニアを研究するための実験モデル、および筋の質的評価を行うための実験系が概ね確立された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の目標は、研究目的を達成するための実験系および実験手法を確立することであった。まず、サルコペニアに伴う筋の質的変化の機序解明のためには、複数の二次性サルコペニアモデルを用いる実験が有用であり、上記の通り3種のモデルと培養細胞系を確立したことは大きな成果といえる。さらに、筋-神経系の質的変化を定量化するための生理・生化学的手法として、単離筋組織標本を用いてミトコンドリア機能や筋内運動単位数を評価する方法を確立した。一方、ヒト骨格筋を対象としてサルコペニアに伴う筋-神経系の質的変化を調べるために、高齢者に対しても安全かつ効果的な筋電気刺激法と運動単位の動員の可視化(超音波剪断波エラストグラフィー)を確立することを目標とした。前者の筋刺激法については、効果的な電気刺激の方法だけでなく磁気刺激の有用性も判明した。やや予定より遅れており、今後も継続的な検討が必要な課題として、単一筋線維を用いた実験系の精度向上、およびヒトを対象とした超音波剪断波エラストグラフィーによる運動単位動員の可視化手法の確立が残されている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度(および進行中)の研究によって確立した実験系を用い、当初の目的を達成するための研究へと移行する。2020年度は、一次性および二次性サルコペニアモデルにおける筋の質的変化を明らかにすることを主目的とする。具体的には、1)電気刺激によるタンパク質同化抵抗性の有無とそのメカニズム、2)萎縮筋における収縮張力、収縮速度、運動単位数、ミトコンドリア機能、糖代謝機能の測定・評価、3)萎縮筋より単離した単一筋線維における筋線維タイプ(ミオシン重鎖)、筋収縮速度などの測定を、それぞれ自然老化モデルと上記の3種の二次性サルコペニアモデルについて行う。また、新たな質的変化の指標として、細胞外マトリクスおよび筋サテライト細胞の変化についても調べる。これらの課題については、2021年度も継続的・発展的に研究を行って行く。ヒトを対象とした研究では、電気刺激および磁気刺激による筋の収縮特性の評価、および超音波剪断波エラストグラフィーを用いた筋の質的評価につき、主に対照群としての若年者を対象としたデータ収集を行うことを予定している。2021年度に高齢者を対象とした測定を行い、2022年度にかけてレジスタンス運動介入研究を行う予定である。全体として当初の研究計画書に沿って研究を推進して行く。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Acetaldehyde dehydrogenase 2 deficiency increases mitochondrial reactive oxygen species emission and induces mitochondrial protease Omi/HtrA2 in skeletal muscle.2020
Author(s)
Wakabayashi Y, Tamura Y, Kouzaki K, Kikuchi N, Hiranuma K, Menuki K, Tajima T, Yamanaka Y, Sakai A, Nakayama KI, Kawamoto T, Kitagawa K, Nakazato K.
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Journal Title
Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol.
Volume: 318
Pages: R677-R690
DOI
Peer Reviewed
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