2021 Fiscal Year Annual Research Report
Qualitative changes in skeletal muscle with sarcopenia: mechanisms and effective countermeasure
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19H01085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 直方 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (20151326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中里 浩一 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (00307993)
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
小笠原 理紀 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10634602)
田村 優樹 日本体育大学, 体育学部, 助教 (20794978)
越智 英輔 法政大学, 生命科学部, 准教授 (90468778)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / 加齢 / 骨格筋 / ミトコンドリア / 電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
それぞれの共同研究者からの2021度の実績をまとめると下記の通りである。 (1)全身炎症誘発性二次性サルコペニアにおけるセラミド合成に関与するNsmafは強力な筋分化制御因子であることを見出した。(2)加齢に伴い発現量の低下するUNC45Bについて,若齢マウスの骨格筋において発現を2週間抑制すると筋力の低下が認められた.一方,筋量には変化が観察されなかった.以上から,加齢に伴うUNC45B発現量の減少は筋質(筋量当たりの筋力)の低下に関与する可能性が示唆された.(3)運動により発現量が低下する新規遺伝子として2810030D12Rikを同定した。一方で、当該遺伝子は老齢によって発現量が上昇することが明らかとなった。予備的な検証では、当該遺伝子は酸化的エネルギー代謝を制御する可能性が示唆された。(4)高齢者を対象とした実験の実施に向けた測定系の検討としてアメリカ合衆国の国内の各学会や研究室訪問にて情報収集を行った。超音波剪断波エラストグラフィを用いた筋の量的・質的評価のためのアタッチメントの作成を南カリフォニア大学と共に開発した。また、今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大により、予定していた実験を実施できなかったため、その代わりとして過去に23~82歳の男女より取得した等尺性筋力発揮中の筋電図データの再解析を行った。その結果、力調節安定性(ある一定の力を安定して発揮する能力)の低下が中年期(40歳代以降)から認められること、その原因に協働筋・拮抗筋間の協調性の低下が関わっていること、などが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため一部ヒト実験において遅延は見られるものの、基礎実験は予定以上に順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度実績から以下の方策をたてた。(1)Nsmafの筋分化制御機構に関してC2C12細胞を用いて解析する.(2)2020年度にUNC45Bが筋質に関わる事がわかったが,短期間の発現抑制であったため,長期的な筋質の変化が筋量やエネルギー代謝等にどのように関与するか否かは不明であった.そこで,2021年度は若齢マウスにおけるUNC45B発現抑制の影響について,より長期間,経時的に観察し,加齢変化との関係性について検討する.(3)老齢骨格筋において2810030D12Rikの発現が上昇している生理的意義やサルコペニアとの関連を明らかにすることを目的として研究を展開する。まずは、若齢マウスを対象に2810030D12Rikの過剰発現を行い、骨格筋の量的・質的変化を検討する。(4)2019年度の研究において、従来型の神経筋電気刺激法の欠点であった易疲労性を刺激パターンの変化によって克服できる可能性が示された。そこで、刺激パターンと筋疲労および筋エネルギー代謝との関係性を詳細に明らかにすべく、より包括的な実験を実施する。また、これまでに確立した評価系を検証するために筋の質的評価項目が変化する激しい運動を若年者に負荷する。その前後で超音波剪断波エラストグラフィを用いた筋の評価を実施する。さらに、千葉県三郷市における中・高齢者を対象とした測定実験の計画を進めることとする。まずは可搬型の測定機材(超音波機器、フォースプレート、生体インピーダンス測定機など)を用いたフィールド測定の実施を三郷市スポーツ振興課と相談する。
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Research Products
(13 results)