2019 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体・イオンゲルを用いた生物型ソフトセンサ開発と多感覚モダリティ学習
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19H01122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細田 耕 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10252610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 英光 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50282827)
吉田 一也 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (20814221)
池本 周平 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (00588353)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトセンサ / 生物模倣 / イオンゲル / 多感覚モダリティ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,使用することができるイオン流体・イオンゲルの化学的組成に関する探索と,3次元プリンタを駆使したPDMSによる柔らかいセンサ基質の実装,さらには,そこに生物の「ヒゲ」に相当する部分を埋設し,このセンサから触覚情報を取り出す情報処理について研究した.基本的に,イオンゲルを用いた新しいソフトセンサの開発と,基本的セットアップの設定,そしてその基礎的能力を計測するという基本的技術開発に重点をおいている. (1)いくつかのイオン流体,イオンゲルについて,単純な構造の試作モデルを作成し,外部からの刺激に関して,どのような応答を示すかを調査した.これらの結果については,第68回高分子討論会,日本機械学会東北支部第55期総会,236th ECS Meetingにて報告を行った.特に有望な試料の候補については,現在特許化に向けての作業中である. (2)試作した試料について,触覚に関するデータを取得するためのインタフェース技術を開発し,実装した.実装した回路は,イオンゲルのインピーダンスを計測し,これをパルス化することで,組み込み基盤によって容易にピックアップすることができる特徴を持つ. (3)3次元プリンタで,モールドを作成し,PDMSを流し込んでマイクロ流路を作成し,そこにイオンゲルを注入,固化したセンサ部に,これも3次元プリンタで作成したヒゲを挿入したヒゲセンサを試作した.このヒゲセンサに刺激を与えたときに,どのような応答を示すかを基礎的な実験を行い,検証した.ヒゲに対する強制変位に応じて,イオンゲルから取得されるセンサ信号が変化することを確認した.これらの結果については,日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門講演会にて発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り,山形大学の研究班が提供するイオンゲルを大阪大学に送付し,使用できるようにある程度の技術移転を行った.また,大阪大学の研究班は,PDMSにマイクロ流路を作成する方法,流路内にイオン流体を充てんし,固化してイオンゲルを作る方法,イオンゲルのインピーダンスを計測するためのピックアップ回路などを開発し,当初の予定通り,ある程度の基礎的技術を開発することに成功している.イオンゲルに関する基本的な性質を調べ,特許化についても手順が進んでいる.当初の予定通り,山形大学と大阪大学の研究者が密に連絡を取り合い,相互に持っている技術に関する議論が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,イオンゲルを媒介とするさまざまな触覚センサを開発し,各々のセンサの性能を評価する.また,これらのセンサを用いた多感覚モダリティ学習の方策についても検討し,複数のモダリティを持つセンサシステムが,学習を通してよりよい学習結果を得ることができることを示す.
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Research Products
(14 results)