2021 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体・イオンゲルを用いた生物型ソフトセンサ開発と多感覚モダリティ学習
Project/Area Number |
19H01122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細田 耕 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10252610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 英光 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (50282827)
吉田 一也 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (20814221)
池本 周平 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (00588353)
川節 拓実 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70868330)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトセンサ / 生物模倣 / イオンゲル / 多感覚モダリティ学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,イオンゲル・イオン流体を用いた各種のセンサの製法を検討,ひげセンサ,柔軟センサを装備したロボットハンド,2種の異なる情報を獲得できるソフトセンサなどを開発した.また,ひげセンサについては実際にロボットに搭載し,センサ信号を基にした実験を行った.具体的な研究成果は以下のとおりである. (1)イオンゲル,イオン流体の内包された流路の深さや形状を工夫することにより,単一の回路(流路)のインピーダンスから複数の情報を得る枠組みついての検討を行った.深さが異なる二本の流路から,接触位置を推定する方法[日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会にて発表],異なる形状の流路を直列につなぎ合わせ,押しつけと引っ張りの二種類の刺激を区別する方法【日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会にて発表予定】を開発した.特に,流路の複雑かつ精密な形状を作成する方法として,カーボンハイドレードを用いた方法を開発した. (2)イオン流体が通った皮膚を持つソフトハンドを開発し,把持した物体の識別実験を行った【日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会にて発表予定】 (3)イオンゲルを用い,カーボンハイドレードを利用して作成した流路を持つシリコンを使って,ひげセンサを作成し,これを移動台車に搭載して,壁面との接触が検出できることを実験で確かめた.また,この信号に基づいて,壁面に沿った台車の移動を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオンゲル・イオン流体を用いたセンサは,概念としては存在していたが,実際に精密な流路を作成したり,ゲル・イオン流体が内包された流路と外部の回路とのインタフェースを確立するなど,さまざまな技術が存在する.特に,シリコンの内部に精密な流路を作成することは難しく,パラフィンや,オブラート,カーボンハイドレードなどの試用を経て,製法を確立したことは,技術的に非常に重要である. ひげセンサについても,当初予想していたよりも感度が低いなどの問題点を抱えつつ,実ロボットに搭載できる感度を持つセンサの開発に成功しており,また,これを利用した台車の壁伝い行動の生成など,実用化,運用についての知見が着々とたまりつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
センサから得られる素の情報(インピーダンスなど)から,把持している対象の形状や重さなどを識別できる学習については,すでにある程度のアイディアがあるので,これを実施して実験的に有用性を検証する予定である.
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Research Products
(6 results)