2019 Fiscal Year Annual Research Report
「ポスト身体社会」における芸術・文化経験の皮膚感覚についての横断的研究
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19H01207
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
平芳 幸浩 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (50332193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 雅哉 関西大学, 文学部, 教授 (30372600)
池側 隆之 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (30452212)
平芳 裕子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)
高木 彬 龍谷大学, 文学部, 講師 (50767548)
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 教授 (80552207)
牧口 千夏 独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館, 学芸課, 主任研究員 (90443465)
太田 純貴 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (90757957)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 皮膚感覚 / 現代文化 / 芸術論 / 身体論 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンソーシアム京都を会場として「ポスト身体社会における芸術・文化経験の皮膚感覚についての横断的研究」の研究会合を実施し、最初に「皮膚感覚が意味するもの」について情報共有と意見交換を行った。研究代表者を含めた8名の研究分担者が専門とするそれぞれのジャンルにおいて、皮膚感覚をめぐっての問題意識がどのようなものであるのかという現状についての情報を共有するとともに、研究を進めていくにあたってのそれぞれの目標とヴィジョンについて意見交換を行った。また、研究代表者である平芳幸浩が「荒川修作「建築する身体」における皮膚感覚」と題し、研究成果の報告を行った。「養老天命反転地」や「三鷹天命反転住宅」などに代表される荒川修作とマドリン・ギンズの協働による建築作品群において、体験者の皮膚感覚がどのようあものとして顕示するのかについての議論を行うとともに、「建築する身体」という彼等の著作群に現れる概念において、皮膚感覚がどのように捉えられているかについて報告を行った。 研究分担者は、それぞれ研究テーマを設定し、「フランス近現代思想における身体論および皮膚感覚」(藤田尚志)「現代文化におけるハプティクス概念の様相と射程」(太田純貴)「現代ファッションにおける皮膚感覚の変容」(平芳裕子)「ヴィデオ・アートにおける身体と皮膚の表象」(牧口千夏)「アニメーションにおける皮膚表象」(若林雅哉)「現代文学における「皮膚感覚」表象」(高木彬)「映像がもたらす記憶と創造の相互作用」(池側隆之)について研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度においてまず、は夏に第一回のキックオフ会合を開き、全員の顔合わせ・情報共有・意見交換・当初の研究報告を行った。その後、年度の後半に1度から2度程度の研究会合を持つ予定であった。その会合での報告に向けて、それぞれの研究分担者が研究調査を進め、報告の準備を行っていた。研究代表者は研究分担者と、12月および2月に会合を実施することを協議し、研究分担者全員の合意を得ていた。しかし、研究代表者である平芳幸浩が、不慮の病気により2019年12月より2020年1月までの二ヶ月間の入院を余儀なくされた。また退院後も体調の回復に時間を要し、年度内に研究会合を持つことが難しくなった。そのため、研究分担者と改めて協議を行い、会合は平芳の回復を待って2020年度以降に行うことと決定した。研究分担者は報告の機会を持つことができなかったが研究調査そのものは順調に進展している。しかし、研究代表者の平芳幸浩は、上記の疾病のため、研究調査にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者のそれぞれの研究調査は順調に進捗しているため、引き続き研究調査を続けるとともに、適切な時期に研究の報告を行っていく予定である。研究代表者である平芳幸浩については、疾病により研究調査しも遅れが出ているため、研究調査にあてる時間を可能な限り増やし、成果を出すべく調査のスピードを上げていく予定である。 研究報告の場である研究会合については、2019年度後半に実施できなかったものを2020年度に実施するとともに、国際シンポジウムなどの開催を行うことで、より充実した報告の機会を設けていく予定にしている。 研究の推進においては、研究分担者全員の研究の進捗と新知見の共有が極めて重要であるので、対面での会合だけでなく、インターネットなどを有効利用した意見交換の方法を構築することで、個別の研究に終始することなく、十全な共同研究となるような環境づくり、また同時に協働作業に齟齬をきたさないような環境づくりを進めていこうと考えている。
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Research Products
(7 results)