2020 Fiscal Year Annual Research Report
The studies about the support for resilience of historical and culturel surroundings in the 3.11 diaster area with scholer's networks
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19H01293
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 大介 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (50374872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱岡 憲司 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (10548720)
坂本 達彦 國學院大學栃木短期大学, その他部局等, 教授 (20390750)
青柳 周一 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40335162)
高橋 陽一 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40568466)
平野 哲也 常磐大学, 人間科学部, 教授 (50735347)
添田 仁 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (60533586)
阿部 浩一 福島大学, 行政政策学類, 教授 (70599498)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 歴史文化の再生 / 学際連携 / 歴史文化資料の保全 / ネットワーク形成 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度については、2019年10月の台風19号にともない、研究フィールドとしていた福島県や宮城県の各地が甚大な被害を受けたこと、それに続く2020年初頭からの日本における新型コロナウイルスの感染拡大にともない、現地や史料保存機関における十分な調査が研究活動の一環として、研究代表者および被災地に拠点を置く分担研究者が、被災した地域の歴史資料に対する救済・保全活動を実施し、地元関係者などとの連携で、関連史料も含めた被災史料を救済・保全することが出来た。 研究としては、伊勢松坂出身で、江戸深川に拠点を置いた干鰯商人であった小津久足が、天保11年(1840)春に江戸・深川から陸奥・松島の旅の往復を記した紀行文「陸奥日記」の記載情報について、試験的なWebマップを作成した上で、歴史再生に関する情報をインターネット環境で公表する上での課題について検討するため、2020年7月にオンラインでの研究会を開催した。天理大学附属天理図書館より小津久足紀行文の複写を取得し、分析を進めた。また、『石水博物館所蔵 小津桂窓書簡集』(和泉書院)を刊行して、紀行文執筆の背景への理解を深めた。 また、江戸時代の仙台藩領であった磐井郡の商家・丸吉(まるきち)皆川家が残した、原本約2100頁の日誌について、仙台および近郊の市民の協力を得る形で、オンライン会議システムを活用した解読作業を進めた。それらの成果について、学術報告書『丸吉皆川家日誌 幕末維新編』として公刊およびWeb公開を実施した。戊辰戦争をめぐる仙台藩領地域社会の政治・社会・経済の状況、この時期の天候不順や自然災害といった史実に関する基礎的な史料を共有し、地域史や郷土史を通じた地域の歴史文化再生に資する環境を整備できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年の台風19号により研究フィールドが被災したこと、さらに2020年度からの新型コロナウイルスの感染拡大により、その中でオンライン会議システムや、災害前に調査済みのデータを使いつつ資料叢書を公刊するなどしているが、研究を推進するために必要な史料調査や研究会合の実施に大きな制約が生じている。本研究に関わる地域史料については、オンライン上で公開・利用できるものも極めて少ないため、代替手段によっても史料収集を行うことが不可能であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
公衆衛生上の要請への対応を最優先しつつ、参加研究者の事情に合わせて調査研究活動を少しずつ推進し、研究課題の解決に努める。
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Research Products
(19 results)