2021 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01309
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯塚 一幸 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50259892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 功 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10309619)
久野 洋 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 講師 (10795181)
東野 将伸 岡山大学, 社会文化科学学域, 講師 (10812349)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 教授 (20423494)
町 泉寿郎 二松學舍大學, 文学部, 教授 (40301733)
中川 未来 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (60757631)
久保田 裕次 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70747477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本史 / 塩田地主 / 岡山藩 / 貴族院 |
Outline of Annual Research Achievements |
・本研究の目的は、(1)野﨑家史料を整理し、『野﨑家文書目録』として全容を公開する、(2)「野﨑家史料研究会」を立ち上げ、野﨑家史料から得られた新たな知見を基に学際的な共同研究を実施する、それを通じて、岡山・瀬戸内地域の有力者から出発した野﨑家が、どのように日本の近代化を担い帝国化に対応していったのかについて明らかにする、(3)(2)を通して『巨大塩田地主野﨑家の総合的研究(仮)』を刊行することである。今年度は前年度に引き続き(1)を重点的に行った。実績の概要は以下の通りである。 ・野﨑家史料は、主に旧野﨑家住宅(野﨑家塩業歴史館)の母屋と書類蔵・内蔵に収蔵されている。これらの野﨑家史料について、主に大阪大学と岡山大学・ノートルダム清心女子大学の日本史研究室の院生・学生、および地元研究者等を組織して、2021年4月30日~5月2日、7月24日・25日、8月20日~22日、9月17日~19日、11月5日~7日、12月19日、2022年1月15日・16日、2月12日・13日、3月11日~13日に調査を計画したが、4月、8月、9月、2月、3月の調査は新型コロナの感染拡大により中止した。その結果、今年度の目録採取は2670点、撮影は556点に止まった。 ・2021年4月22日に開催された、山陽放送学術文化・スポーツ振興財団主催「シンポジウム近代岡山の偉人伝 殖産に挑んだ人々5 内海に白き輝きを見た男野﨑武左衛門」において、研究代表者の飯塚一幸と研究分担者の東野将伸が講演を行った。この講演の内容は、2022年2月に刊行された『近代岡山 殖産に挑んだ人々2』(吉備人出版)に収録された。 ・2021年12月26日に第三回の「野﨑家史料研究会」を対面で実施した。本研究会では、研究代表者が調査の進行状況と課題について報告するとともに、研究分担者の落合功が報告を行い、それを基に討論を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・本研究の前提となるのが、旧野﨑家住宅の母屋と書類蔵・内蔵に収蔵されている野﨑家文書の目録化と撮影である。ところが今年度は、新型コロナの感染拡大のため、計画した9回の調査のうち5回が中止に追い込まれ、当初想定していた目録採取点数、撮影点数を達成することができなかった。 ・そうした中にあって、第三回の「野﨑家史料研究会」を対面で開催できたことは収穫であった。 ・一方、研究の成果を社会に還元する点では、2021年4月に開催されたシンポジウムで研究代表者の飯塚一幸と研究分担者の東野将伸が講演を行い、その内容を2022年2月に刊行された『近代岡山 殖産に挑んだ人々2』に掲載することができ、高い評価を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は以下の方針のもとに研究を実施する。 (1)前年度に引き続き、『仮目録』にない史料に新たな番号を付し、野﨑家史料の概要を把握する。また、主に大阪大学と岡山大学、ノートルダム清心女子大学の日本史研究室の院生・学生、および岡山県の地元研究者等を組織し、野﨑家史料の目録化と必要な史料の撮影を行う。目録データと撮影データについては、研究代表者・研究分担者・研究協力者および野﨑家塩業歴史館で共有する。 (2)2019年度に立ち上げた「野﨑家史料研究会」を引き続き開催し、野﨑家史料から得られた知見に基づく分析を進める。また、研究代表者・研究分担者は、各自の研究課題について先行研究を集め、各地の資料館・図書館・博物館等で史料収集を行う。 (3)本研究課題による活動と研究の成果を社会に還元するために、適宜新聞やテレビを対象に記者発表を行う。 (4)野﨑家史料が膨大であるため、5年間で目録化が終わらないことが予想される。そうした見通しが立った場合には、関西一円の近世・近代史を専攻する大学院生や、岡山県記録資料館の登録ボランティアにも協力を依頼する。また、岡山県に拠点を置く研究分担者の東野将伸・久野洋、研究協力者の遊佐徹(岡山大学)・定兼学(岡山県記録資料館長)・山本太郎(倉敷市総務課歴史資料整備室)との間で、研究期間終了後も整理を継続できる仕組みを検討する。 (5)『巨大塩田地主野﨑家の総合的研究(仮)』の刊行に向けて、執筆者を確定し、出版社の具体的検討に入る。
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Research Products
(28 results)