2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H01313
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Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
田中 大喜 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (70740637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 典幸 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10292799)
鈴木 康之 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (10733272)
井上 聡 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (20302656)
貴田 潔 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (30759064)
松田 睦彦 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (40554415)
神野 祐太 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (40757473)
村木 二郎 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50321542)
渡邊 浩貴 神奈川県立歴史博物館, 学芸部, 学芸員 (60810900)
湯浅 治久 専修大学, 文学部, 教授 (70712701)
黒嶋 敏 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (90323659)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 西遷・北遷 / 社会的権力化 / 地域総合調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、従来、東国武士と在来諸勢力とを対立的に捉えてきた西遷・北遷という歴史事象を、両者の交流という研究視角から捉え直すことを目的としている。したがって、東国武士が西遷・北遷先の所領を支配するあり方については、日常的に交流してきた在来諸勢力との社会的合意の形成にもとづき、東国武士が西遷・北遷先の所領に形成されていた地域社会を統合・編成するに至った現象と把握し直す。本研究ではこれを西遷・北遷東国武士の社会的権力化と捉え、東国武士の西遷・北遷という歴史事象の本質と理解し、その実態を究明する。そのため、文献資料はもとより、出土遺物・石造物・仏像といった考古・美術資料をも対象として、東国武士・在来諸勢力双方が残した資料を広く収集して分析に努めていくことになる。 今年度は新型コロナウィルスの感染拡大を予防するための緊急事態宣言の発出を受け、資料調査の計画を大幅に変更せざるをえなくなり、小城市域での資料調査を優先的に進めることになった。歴史地理班は小城郡域の水利調査を9月~12月と3月に計5回にわたって行い、ほぼ終えることができた。考古班は10月に小城郡の中世石造物の調査を行い、文献資料班は3月に光勝寺文書の調査・撮影を行った。 また、昨年度の資料調査成果の検討・共有と、本研究の目的である西遷・北遷東国武士の社会的権力化の様相を追究した研究報告からなる研究会を8月に国立歴史民俗博物館にて実施した。報告題等は以下の通りである。資料調査報告:村木二郎「都於郡城出土貿易陶磁調査成果報告」、神野祐太「円明寺仏像調査報告」、湯浅治久「2019年度小城調査について 宗教資料班 概要」、土山祐之「岩蔵・松尾・北浦地域の水利灌漑調査の成果」。研究報告:田中大喜「鎌倉期肥前千葉氏の拠点と領主機能」、高橋典幸「小早川氏と楽音寺」。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大を予防するための緊急事態宣言の発出を受け、4月~7月に計画していた資料調査と調査成果の取りまとめを行うことができなかった。また、宣言解除後も、自治体および資料所蔵先によっては調査の許可が下りず、さらに研究分担者や研究協力者のなかには勤務先から出張の許可が下りない者もいたため、9月~12月に計画していた資料調査も大幅に変更せざるをえなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大予防のため、資料調査は規模を縮小させるとともに、9月以降に調査の受け入れ再開を認めていただいた小城市での調査を優先的に進めていく。その際、小城市および資料所蔵先と綿密に協議を重ねながら、可能な範囲で進めていくこととする。 現状では、当初計画していた郡山市域の調査があまり進んでいなく、今後も調査再開の目途は立たないと予想される。そのため、調査対象地を他地域に変更して推進することを検討していきたい。 2019~2021年度にかけて実施した資料調査とそれに立脚した研究成果は、展示によって整理・公開したい。2021年度末から2022年度にかけて、国立歴史民俗博物館の企画展示「中世武士団―地域に生きた武家の領主―」を開催する予定である。
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Research Products
(37 results)