2019 Fiscal Year Annual Research Report
"Missing Link" in Modern Indonesian History: Post-war society seen through Japanese military administration
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19H01321
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
山本 まゆみ 宮城大学, 基盤教育群, 教授 (60709400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉沢 愛子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 名誉教授 (00203274)
Horton William.B 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (00625262)
高地 薫 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (30345178)
スリョメンゴロ ジャファール 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (40600440) [Withdrawn]
山崎 功 佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (60267458)
後藤 乾一 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 名誉教授 (90063750)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 日本占領期インドネシア史料 / 戦中戦後の人脈 / 南進論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2016年度に採択された「インドネシア現代史の『失われた環』―戦前戦後をつなぐ日本軍政ネットワーク」(16 H05679)の延長線上の研究であるため、これまでの研究の総括としての実績が多かった。「日本軍政期インドネシア史料展」が6月21~29日の期間、立教大学の図書館において開催されたが、本研究で収集した日本占領期当時の史料を、インドネシアからの複製資料とともに展示し、研究の成果を発表することができた。また、本研究の中心課題であるインドネシア現代史の連続性の研究として、9月にベルリンで開催されたEuroSEASで、戦中・戦後の人脈についてのパネルを本研究の代表および分担研究者2名に加え、オランダの研究者Peater Postとともに発表した。また、ライデン大学で7月に開催されたICASでは、オランダ領東印度と日本占領期インドネシアの関係について、研究代表および2名の研究分担者がパネル発表し、オランダ戦争史料研究所上席研究員Evelin Buchheimも同パネルに参加した。日本とオランダの研究協力の必要性も話され、本研究の国際的重要性を共有することができた。 今年度当初の研究計画の一つであった日本占領期インドネシアで出版された新聞、雑誌収集も進んだ。なかでも日本海軍が軍政を敷いた地域ので発行した『セレベス新聞』および『Pewarta Selebes』のメナド版とマカッサル版を、日本とオランダで多量に発掘・収集でき、復刻版として出版する(令和2年度9月予定)こととなった。各研究者の研究史料整理およびデータ入力は着実に進んでおり、研究分担者倉沢愛子は収集してきた日本語史資料を纏め出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史資料の整理と史料のデータ入力は、本研究で最も重要な位置を占める。当初学生の雇用を予定していたが、インドネシア語、オランダ語などの多言語を扱い困難な作業であったため、その目論見は頓挫した。しかし、各自の努力で少しづつではあるが、インドネシア語を集中して行い、データ入力は多少なりとも前進した。史料分析も予定していたが、収集した史料の多さ、またインドネシア語の新聞や雑誌などの劣化が進んでいることもあり、写真撮影し保存することを優先した。また、「日本軍政期インドネシア史料展」に出品した展示会の反響から、インドネシア日本占領期の史料が、現在はますます希少なものになっていることを知り、インドネシア語の史資料収集を、令和元年度に前倒しで行うことになった。年度の後半には、オランダへ研究調査や国内調査を推し進める予定であったが、新型コロナウィルス感染症の拡大により、移動自粛をしたため研究室で史資料の分析を進めた。予定していた研究の計画とは手順は異なっていたものの、研究の進展度合いは、概ね順調といっても良いと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響もあり、ここ一年は、国内外の移動をできるだけ少なくするような研究を推し進める。すでにある史資料の整理とデータ入力は引き続き行い、史資料の精査と分析を進める予定である。また、入力されたデータを英語に翻訳する作業も、大学院生や学生を雇用し、前進させる予定である。複数の研究者が収集した史料のなかには、重複もあると思われるので、入力データの情報共有ができるように、環境を整え作業の効率を上げる。
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Remarks |
HPは、本研究の活動報告を国際社会に向けて発信している。使用言語は日本語および英語である。
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Research Products
(14 results)