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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Tatar diaspora and social and cultural transfomations in modern and contemporary central Eurasia

Research Project

Project/Area Number 19H01323
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

新免 康  中央大学, 文学部, 教授 (10235781)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 濱本 真実  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (00451782)
塩谷 哲史  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (30570197)
熊倉 潤  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東アジア研究グループ, 研究員 (60826105)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords中央ユーラシア / 近現代史 / タタール人 / ディアスポラ / 社会・文化変容 / 中央アジア / 新疆
Outline of Annual Research Achievements

初年度の今年度においては、ロシア領中央アジアから中国領新疆へのタタール人の移動の基本的な状況とその政策的な背景に関する史料の調査・収集と考察に重点を置き、文書館での史料調査を優先的に実施すること、あわせて、移住したタタール人・タタール人子孫からの聞き取り調査の予備調査を行うことを目指した。具体的な作業については以下の通り。
(1)調査実施前の日本における研究作業として、先行研究の把握を行うとともに、メンバーの研究打合せで文書館状況の情報交換、調査・研究計画のすり合わせ等を実施した。
(2)文書館を中心とした調査を実施し、歴史的局面に関する検討を行った。①おもに新疆各都市のロシア領事報告に基づき、清朝・ロシア帝国時代における、タタールスタン-中央アジア間の移動と、ロシア領中央アジアと新疆に拠点を置いたタタール人の交易活動、関連する諸政策に関わるデータを取得し、検討を行った。ロシア帝国外交政策文書館で作業を行った。②ロシアの国立社会政治史文書館における調査をもとに、ソ連時代におけるカザフスタン-新疆間関係と関連諸政策などに関する検討を行った。③ロシアのカザン(タタースルタン)において、新疆に移住したタタール人の回想など、関連献の調査・収集を行うとともに、新疆のイリからカザンに移住(帰還)したタタール人から予備的な聞き取り調査を実施した。
(3)海外共同研究者のウスマーノヴァ教授(カザン連邦大学)を招聘し、講演会を開催した。その上で、現段階における関連研究の到達点について確認するとともに、国際的な先端研究の成果内容について科研メンバーの間での情報共有化を図った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究期間開始後の文献的な研究で、新疆におけるタタール人社会の歴史的状況の概要、ウラル・ボルガ地域から中央アジアへの移住に関わる状況について、ある程度把握することができた。このような前提となる知見を基礎としつつ、今年度の調査研究により、以下の点について明らかになりつつある。
(1)今年度のロシアの文書館における調査により、とくにロシア領事館の記録などから、清朝・ロシア帝国時代における、清朝領への新疆の移動と、交易活動の実態に関する事例が確認できつつある。他の叙述史料から得られた材料との接合により、具体的な様相が明らかになりつつある。また、ソ連時代については、先行研究を踏まえつつ、ソ連領(カザフスタン)―新疆間の関係にまつわる政策に関するデータが得られつつある。
(2)ロシアのカザンおいて、新疆に移住したタタール人の回想など、関連献の調査・収集を行うとともに、新疆のイリからカザンに移住(帰還)したタタール人から予備的な聞き取り調査を実施した結果、1940年代等の新疆における政治的活動においてもタタール人が重要な役割を担っていた具体的事例が収集されつつある。また、1950年代~60年代初頭に新疆からカザフスタンに移住し、さらにソ連崩壊後にタタールスタンに移住した際の具体的な経緯についてもデータが集まりつつある。
これらの知見は、今後の研究の展開において基礎的な条件を提供するものである。

Strategy for Future Research Activity

2年度目以降、今年度の成果を踏まえつつ、19世紀後半~20世紀初頭におけるロシア領中央アジアから中国領新疆へのタタール人の移動・移住の基本状況とその背景となるロシア帝国の諸政策、および20世紀半ばの中国領新疆からソ連領中央アジアへの移住の基本状況とその政策的背景に関する史料の調査・収集と検討を継続的に発展させる。とくに、今年度の調査で概要をつかめたロシアの文書館における史料調査を重点的に実施する。あわせて、カザフスタン在住のタタール人・タタール人子孫からの聞き取り調査の予備調査を行う。具体的な作業については以下の通りである。
(1)文書館を中心とした調査を実施し、具体的な歴史的局面の解明に向けて検討を行う。①清朝・ロシア帝国時代における、タタールスタンから中央アジアへの移動と、ロシア領中央アジアと新疆に拠点を置いたタタール人の交易活動と教育文化活動、両国家の関連する諸政策に関わるデータの取得・検討を進展させる。②とくに新疆各都市のロシア領事報告に基づき、清朝・ロシア帝国時代における、両国間関係に関わる政策、タタールスタンやカザフスタンから新疆への移住と交易活動の実態、新疆各都市のタタール人をめぐる社会・文化状況等に関するデータの収集・検討をさらに進展させる。③ソ連時代におけるカザフスタン-新疆間関係と関連諸政策、その中におけるタタール人の動向、新疆-カザフスタン間の移住の経緯に関わるデータを収集し、検討する。
(2)ロシアのカザンおよびカザフスタンのアルマトゥにおいてタタール人から聞き取り調査を行い、中央アジア・新疆におけるタタール人コミュニティの具体的な状況、ロシア―新疆・中央アジア間の移動の実態等に関するデータを取得する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2020 2019

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 越境者の記録から見る18 世紀末~19 世紀前半のロシア・新疆貿易2019

    • Author(s)
      濱本真実
    • Journal Title

      西南アジア研究

      Volume: 89 Pages: 58-86

    • DOI

      10.14989/seinan-asia-kenkyu_89_58

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 中ソ対立下の中国少数民族幹部政策:新疆ウイグル自治区の事例から2019

    • Author(s)
      熊倉潤
    • Journal Title

      国際政治

      Volume: 197 Pages: 58-73

    • DOI

      10.11375/kokusaiseiji.197_58

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] カザフ草原北辺部における長距離交易と家畜の取引2019

    • Author(s)
      塩谷哲史
    • Organizer
      日本文化人類学会
  • [Book] アフロ・ユーラシア大陸における都市と社会2020

    • Author(s)
      新免康(部分執筆)
    • Total Pages
      694
    • Publisher
      中央大学出版部
    • ISBN
      9784805753583
  • [Book] 近代中央ユーラシアの眺望2019

    • Author(s)
      濱本真実(部分執筆)
    • Total Pages
      315
    • Publisher
      山川出版社
    • ISBN
      9784634672499

URL: 

Published: 2021-12-27  

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