2020 Fiscal Year Annual Research Report
災害碑アーカイブ構築を目的とした市民参加型調査の実践
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19H01363
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
上椙 英之 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50600409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 利秋 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (20351942)
蝦名 裕一 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (70585869)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然災害伝承碑 / 金石文 / オープンサイエンス / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査研究では、昨年度と同様に、代表者が開発したデジタル拓本技術である「ひかり拓本」(特許申請中)アプリを用いて自然災害伝承碑の撮影を行った。令和2年度はCOVID-19の影響を鑑み、研究協力者のみの1~3名での撮影にとどめ、次年度の一般向け撮影マニュアルの作成のためのデータとした。成果は、調査研究では岩手県9基、福井県4基、三重県5基、和歌山県8基、大阪府1基、宮崎県7基、合計34基の自然災害伝承碑および疫病碑を撮影した。調査の過程で、R3年度の新たに2件の研究協力の打診を受け、R3年より共同研究を開始する予定である。 撮影成果公開先としては、前年同様、東北大学災害科学国際研究所に設置している「ひかり拓本データベース」(https://takuhon.lab.irides.tohoku.ac.jp)にデータを登録・公開している。またデータベースには本来GIS機能を持たせるべきであるが、予算の都合上、簡易の地図機能とデータベース機能とを持たせるだけの改良をし、GISの導入は今後の課題とする。 成果の市民への周知として下記の1件のTV放映、4件の新聞記事掲載を受けた。先ず、三重県での調査においてNHK津放送局の取材を受け、NHK まるっと!みえ(2020年10月13日)にて放送された。次に、読売新聞朝刊「サイエンス Focus」「先人の災害警鐘 風化させず」(2020年5月10日)や、産経新聞夕刊「ウェブに刻む災害教訓」(2020年9月2日)、日本経済新聞朝刊「感染症 古文書に知恵探る」(2020年12月20日)、読売中高生新聞「津波碑 データベースに」(2021年3月12日)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、市民を集めた撮影会を開催できなかったことと、特許の結果開示が想定より遅れたため一般向けのソフトのリリースができなかった。結果、計画していたオープンサイエンスによるデータ収集が機能せず、対処方法として研究協力者のみに配布し撮影を行ったため、想定していた成果(撮影数)得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は早期のリリースを目指すとともに、最終年度ではあるが研究協力への参加を広く呼び掛ける。
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Research Products
(5 results)