2022 Fiscal Year Annual Research Report
An Anthropological Study on Basketry from the Perspective of Plant Ecology and Craft Skills
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19H01401
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
上羽 陽子 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (10510406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 文美 岡山大学, 文明動態学研究所, 教授 (90288697)
飯田 卓 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (30332191)
小坂 康之 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (70444487)
金谷 美和 国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 教授 (90423037)
山岡 拓也 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30514608)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 民族技術 / 植物生態 / 技術選択 / 文化人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「バスケタリー」という新たな学術対象を開拓し、その使用材料(編み材、組み材、結束材)に注目しつつ、ヒトによる植物利用の一側面を人類史的な視点から明らかにすることである。 2023年度は開催第1回研究会(7月)において昨年度のマダガスカル共同調査成果とりまとめおよび、海外での共同調査をより効率的に進める方策についての検討をおこなった。 11月~12月には、インドネシア、西ティモールにて研究代表者および研究分担者4名で共同調査を実施し、バスケタリーの素材と製作、流通に関わる基礎的資料を収集した。具体的には素材植物の生態と生産管理、使途に応じた素材の選択、使用材料への加工技術、製品までの製作技術、加工道具の有無や利用法、生産構造と社会関係について焦点をあて、植物加工技術と生態資源利用の現状と変化、生産構造と社会関係のあり方などに関する情報を収集した。 共同調査を通じて各自が設定した課題の暫定的分析結果を開催第2回研究会(2月)において共有し、昨年度のマダガスカル共同調査結果との比較をおこない、文化人類学・生態人類学・民族芸術学・考古学・民族植物学といった多様な視座を用いて分析し、カヤツリグサ科とヤシ科とのバスケタリー素材としての植物生態の差異と編み材としての特性、製作に関する民族技術を比較検討し、次年度の成果とりまとめに向けての議論をおこなった。 本研究課題のバスケタリーは、植物の部位を加工してたわみやすい線状物を製作し、それを材料として、編み技法で作られたもの一般を意味する。そこでこの特性を浮き出すため、たわみの少ない材料を素材としているスダレを比較対象として、龍谷大学農学部三浦励一准教授と京すだれ川崎との協働でカヤツリグサ科を素材とする再現実験をした。スダレ製作における素材植物の生態と生産管理、使途に応じた素材の選択と保管方法、製作技術について詳細な情報を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画に盛り込んでいたマダガスカルでのカヤツリグサ科の植物利用に関する共同調査、インドネシア、西ティモールにおけるヤシ科の植物利用に関する共同調査を実施し、バスケタリーを対象とした植物生態と民族技術をめぐる問題に関して、研究メンバー全員の認識が深まり、調査・分析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はさらなる素材植物との比較検討のため、タケ科植物の利用が顕著なラオス北部地域における追加調査を実施する。同時に、次年度は最終年度となるため、これまでの共同調査をふまえ、研究成果公開への取り組みを進め、論文集の構成などについて具体的な議論をおこなう。
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Research Products
(15 results)