2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Establishment of Statistics of Cashless Payment and its Impact on Economy
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19H01474
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤原 賢哉 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30229067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善如 悠介 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10754682)
西尾 圭一郎 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (20453368)
小早川 周司 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (20830722)
若森 直樹 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (50770921)
地主 敏樹 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60171089)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | キャッシュレス統計 / 高頻度データ / 新型コロナ / 消費者行動 / デジタル経済 / プラットフォームと社会厚生 / リテラシーと合意形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
①キャッシュレス化の統計整備に関しては、昨年度の家計調査パネルデータに加えて、新型コロナウィルス感染流行および政府の自粛要請下における消費者心理や家計管理の変化を把握するため、SNSデータの収集・分析、日記形式のアンケート調査を実施した。また、本科研費以外のプロジェクトとして、新型コロナによって影響を受けた事業者を対象に、各種金融支援(融資・給付金等)のプロセス(相談・申請・給付)上の課題(デジタル化の可否)、中小企業金融への影響について、ヒアリング調査、アンケート調査を実施した。これら統計データやアンケート調査の概要等については、ディスカッションペーパー等において発表した。②キャッシュレス決済手段を含む消費者行動の変化に関しては、ポイント還元事業、新型コロナの影響等を考慮して、実証研究を行い論文等において発表した。単に決済手段のデジタル化だけではなく、オンライン消費との代替・補完性、年代・性別・地域ごとの違い、緊急事態宣言に伴う移動自粛の効果等についても分析を行った。③決済インフラのプラットフォームの観点からは、全銀システムの寡占性と開放問題、両面プラットフォームにおける手数料負担配分、投資インセンティブ、価格形成の問題について、それぞれ理論的な研究を行い学術論文等において発表した。④そのほか、インドにおけるキャッシュレス決済の進展、コロナ下における高頻度データのマクロ政策利用可能性について、学会報告・論文発表等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実証面では、キャッシュレス決済を含む高頻度データに対する関心が内外で高まりつつある中で、家計調査パネルやSNSデータを利用して、新型コロナのわが国経済に及ぼす影響、消費者行動の変容に関して、学術論文等において公表した。また、理論面では、決済システムを含むプラットフォームにおける競争促進のあり方、投資インセンティブ、価格形成への影響についての研究を学術論文等において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに整備したキャッシュレス関連の統計データやアンケート調査の結果を利用し、理論・実証双方の観点から研究成果を取りまとめ、学会発表・論文掲載・シンポジウム報告等の手段により積極的に情報発信を行う。本年度は、決済システムの社会コスト評価、マクロ経済政策における利活用(データに基づいた政策形成など)の観点等からも特に分析を行うことにしたい。
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Remarks |
小早川は全銀協タスクフォースのメンバーとして、全銀システムの改革等について報告書作成および決済システムの現状と課題について新聞等において発表している。
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Research Products
(23 results)